初日だった昨日はDクラスで3勝1敗でした。
本日はどうだったのでしょうか。
本日はなんと…。
四戦全勝!!
二日目は、小学生大会でライバル的なA君にも勝ち、4戦全勝となりました。
結果だけを見れば最高です。
とはいえ、内容は置いておいて…。
(くらしきの全国大会決勝を再現したような碁でした。)
さて、ここで少し思うことがあります。
囲碁でも将棋でもスポーツでも、勝負の世界にいる人たちは結果を出したあと、試合後すぐのインタビューで「今の気持ちを率直にどうぞ」と聞かれることがあります。
そのとき、囲碁や将棋の棋士は
「運が良かったです」
「たまたま、最後に相手が間違ってくれました」
といった、かなり謙虚なコメントをすることが多い印象です。
嬉しさを前面に出すというよりは、どちらかというと「ほっとした」という空気を感じます。
もちろん、心の中では喜びが爆発しているのかもしれませんが、表にはあまり出さない印象です。
一方で、野球やサッカーなどのスポーツでは、試合終了の瞬間から感情を爆発させる場面をよく見ます。
そのままインタビューでも喜びを爆発させる選手も多いです。(もちろん結果を出せてほっとしたと語る選手もいます。)
この違いは何なのだろうと、前からよく考えています。
囲碁や将棋にはゲーム的な要素からして、内に秘めた闘志といったところでしょうか。
そのため、自然と慎重で控えめなコメントになりやすいのかもしれません。
ただ、それだけではなく、試合の間隔も関係しているのではないかと思います。
たとえば、4年に一度のワールドカップのような特別な舞台では、感情が一気に爆発しやすいのでしょう。
逆に、毎週のように試合がある世界では、勝った瞬間の気持ちは「嬉しい」よりも「ひとまずほっとした」が先にくることも多いのではないでしょうか。
実際、院生のように毎週土日に何局も打つ生活をしていると、1局勝ったからといって、いちいち喜びを爆発させるような感覚にはなりにくいのが実感です。
勝てば安心する。
負ければ苦しい。
何とも厳しい世界です。
さらにはプロ試験のような舞台ともなると、普段の院生手合よりも何倍も負担が大きくなります。
本当に厳しい世界です。
しかも、囲碁は団体競技ではなく個人戦です。
負けた責任は、すべて自分に返ってきます。
そんな勝負を、院生は週2回、しかも一年中続けていくわけです。
そりゃあ、強くならないわけがありません。
長男よ、頑張っておくんなまし。
永代囲碁塾
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長男は2026年4月期より、日本棋院東京本院の院生となりました。
これからプロを目指す者として、ようやくスタート地点に立ったところです。
まだまだ実力的にも精神的にも甘い長男ですが、院生という厳しい環境で厳しく揉まれていくことでしょう。
棋力的にも人間的にも鍛えられて、成長してもらえたらと思います。
院生は一昔前と比べて棋力のレベルが上がっています。
さらには棋士採用の人数も減っています。
そして、最近の日本棋院の経営難による暗いニュースも続いています。
長男にとっては逆風ばかりですが、ひとまずは自分自身で自分の道を切り拓いてもらいましょう。
まだまだ院生の自覚が足りず、覚悟も甘い長男ですが、院生でプロ試験などたくさんのことを経験すると、その厳しさを自分の肌で感じることになります。
それでも気持ちを潰されずに立ち向かっていくよりありません。
親としてもしっかりとサポートしていきたいと思います。
皆様の応援も本人の力になります。
ぜひとも、今後とも応援をいただけると幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
現在の東京の院生は44人で、Dクラスまであります。
長男は、Dクラスの最下位からのスタートとなります。
個人的には、CクラスからBクラスに上がるところまでは、できればノンストップで駆け上がってほしいところです。
ところが、早速初日から暗雲が立ち込めました。
二戦目からすでに負けてしまったのです。
現在の院生たちは、長男よりも長く、厳しい勝負の世界に身を置いてきた先輩です。
勝負の世界に長くいると、盤上の技術だけではなく、その場その場での駆け引きなど勝負勘のようなものも磨かれていきます。
今回の敗戦は、まさにその勝負勘の差が出た一局だったように思います。
長男には、形勢が悪くなってもそのまま普通に打ち進めてしまうところがあります。
これは以前からの弱点です。
本来であれば、自分が潰れないぎりぎりのところをしっかり確保しながら、できる限り相手が嫌がる手を選んでいかなければなりません。
こうした感覚は、これから一戦一戦をぎりぎりの緊張感の中で経験し、場数を踏んでいくことで、自然と身についていく部分でもあります。
院生という環境は、まさにそうした力を育ててくれる特殊な場なのです。
逆に言えば、それが自然と身につかないようでは、勝負の世界で生き抜いていくのはなかなか難しいのが現実です。
言い換えれば、勝負の世界には向いていないということになります。
長いあいだ同じクラスで停滞してしまう子は、勝負勘が鈍い場合が多いように感じます。
一方で、勝負勘の鋭い子は、相手に応じてより厳しい手を選ぶようになります。
相手が強くなればなるほど、自分もさらに厳しい手を追求し、その積み重ねの中で成長していくサイクルへ自然と入ります。
もちろん、盤上の技術を身につけることも大切です。
ただ、それと同じくらい、競争心から生まれる成長もまた重要なのだと思います。
最近は、長男に技術面の指導をしても、AIにかけると長男のほうが正しかったという場面も増えてきました。
そもそも棋風も違いますし、自分の碁をとことん磨き、自分だけの武器を見つけていかなければ、この厳しい世界では生き抜いていけません。
そう考えると、そろそろ技術面の細かな指導はAIに任せ、私は少し控えめにする時期なのかもしれません。
今後は、勝負勘による着手の選び方を中心に指導していこうと考えています。
ここは私が元院生として、勝負の世界に長く身を置いた実体験からも伝えられることはたくさんあります。
ここから先は技術だけでなく、精神面においても課題解決に向けて、凄まじい努力をすることになりそうですね。
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4月期から院生になるべく、日本棋院には1月に志願書を出していました。
院生志願書に記入「日本棋院東京本院」(永代囲碁塾ブログ)
履歴書のようなものを書いて、日本棋院へ提出。
書類が受理されたら、追って試験碁の日程について連絡がきました。
その後、試験碁の代金も支払い、準備万端です。
あとは3月8日(日)の試験碁当日を迎えるだけでした。
日本棋院の2階で受付を済ませ、院生志願者の名札を受け取ってから、7階の応接間へ向かいました。
7階に到着すると、院生研修の部屋から河野光樹プロが出てきてくれました。
河野プロは幕張囲碁研修センターの院生寮出身で、私にとっては先輩にあたります。
私が院生寮に住んでいたころには、出身の先輩ということで指導に来てくれたこともありました。
とても面倒見の良い方という評判で、院生師範にはぴったりの役だと感じます。
お父ちゃん「今日はよろしくお願いします」
河野プロ「よろしくお願いします」(にこやかに)
お父ちゃん「今日はどなたに試験碁を打ってもらえるのでしょう?」
河野プロ「私が担当します」
お父ちゃん「よろしくお願いします」
実は、院生試験に関するやり取りは田尻悠人五段が担当してくれていました。
事前に院生の師範は、河野光樹プロ、高梨聖健九段、潘善琪八段、矢代久美子六段の4人と聞いていました。
そのため、試験碁の相手も師範のどなたかだろうとは思っていましたが、意表を突いて田尻プロの可能性もあるかなと考えていました。
河野プロ「小学生だと、いつも二子か三子で打っています。どうしますか?」
そう言ってこちらを見たので…。
お父ちゃん「二子でも三子でも同じだと思います(笑)」
この言葉には、二つの意味がありました。
① 二子でも三子でも勝つのは難しい
② 二子でも三子でも、内容が良ければ勝つし、内容が悪ければ負ける
もちろん、②であってほしい気持ちはありますが、この場では①の気持ちで答えておきました。
お父ちゃん「まあ、本人に……」
河野プロ「そうですね。何子にする?」
長男はしばらく考えて……。
長男「二子で……」
ということで、二子で打たせてもらうことになりました。
先日のくらしきでの記念対局では、あの一力遼棋聖にも二子で打たせてもらっていますからね。
三子とは言わないだろうなと思っていました。
一力遼棋聖 VS 長男 「優勝記念対局」 (永代囲碁塾ブログ)
ちなみに、私が院生試験碁を打ったのも、長男と同じくらいの時期でした。
小学6年生の4月から院生になるという点は同じなので、試験碁の時期も近かったのではないかと思います。
ただ、私は長崎にいたので、冬休みごろに試験碁を受けた可能性もあります。
そのあたりは、全く記憶にありません(笑)
私のときは、当時の院生師範である新垣武九段と五子局でした。
ただ、そのときの記憶もほとんど残っておらず、のちに院生寮の寮長さんから写真を見せてもらって、新垣プロと打っていたことを確認しました。
当然、勝敗も覚えていません。
寮長さんからは「五子で負けと書いてあったよ」と聞かされました(笑)
河野プロ「試験碁は40分くらいを予定しています。お父さんは後ろのほうで待っていてもいいですし、外で待っていただいてもかまいません」
これに対して、特に日本棋院内で用事があるわけでもないですし、応接間のふかふかの椅子で待っていようと思い…。
お父ちゃん「ここで待ってます」
河野プロ「斗真くんは、お父さんがいて打ちにくいことはないかな?」
長男「……」
長男は考えるときのお得意の無言です(笑)
まあ、このくらいのことは気にしないだろうということで、同じ部屋で待つことにしました。
そうして対局は、40分で終わるわけもなく、打掛けで終わったのですが…。
お父ちゃん「最近は試験碁は打掛けなんだね〜」と小田に連絡。
お母ちゃん「え? 私のときも打掛けだったけど」
お父ちゃん「????」
これにより発覚した事実は、私のときは40分で打掛けにする必要もないほど、瞬殺されていたということか…。
まあ、永代少年は猛烈に打つのが早かったですし、弱かったですし、十分にあり得ます…。
いや、間違いなくそうだったのでしょう(笑)
二子・永代斗真(ながよとうま)
白 ・河野光樹 八段

対局後に河野プロが「よかったらお父さんも一緒に検討をどうぞ」と声をかけてくれたので、横で見させてもらいました。
黒4から8まで仕掛けた定石について、河野プロから「これは、もうだいぶ研究している定石なのかな?」と質問がありました。
すると…。
長男「……」
長男は、とっさの質問にすぐ答えられないことが多く、考えているときは無言になります。
答えとしては、こういうことです。
「ほとんどこれしか打たないくらい使い込んでいる定石ではあるものの、研究し尽くしているというレベルではありません。そのため、定石変化をされると分からなくなることもあります。」
ただ、それをその場ですぐさまに言語化するのは難しいようです。
お父ちゃん「よく打っているんですが、これしか知らないくらいの状況です」
河野プロ「それはそれで困っちゃうね」
というお話になりました。
これからは、きちんと研究していくことでしょう。
黒24までは珍しい展開になりました。
この先の総譜と解説は『 囲碁マガジン 』にて配信することにします。
お楽しみに!
検討が終わったあとは、院生についていろいろと説明を受けたり、院生研修の部屋を見学させてもらったりしました。
ただ、実はこの時点では『 合格 』という言葉は一度も言ってもらえていなかったんですよね…。
とはいえ、院生研修についていろいろ説明してくれているのだから大丈夫なのだろうと思いつつ、そのまま帰ることに。
そして、河野プロがエレベーターの前まで見送ってくれて…。
河野プロ「それでは4月からお待ちしております」
と言ってくれたので、さすがに大丈夫なのだろうと思いました。
それでも結局、最後まで『 合格 』という言葉は出てこず…(笑)
そのまま初台の研究会へ向かいました。
(次の日にメールにて合格の連絡がありました)
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三鷹市小学生囲碁大会 & 中学生囲碁大会(永代囲碁塾ブログ)
三鷹市小学生囲碁大会(公式サイト)
まずは、多くの方々のご協力のおかげで、大きなアクシデントもなく無事に大会を終えられたことに、心より感謝申し上げます。
参加者の皆さまも非常に協力的に動いてくださり、さらに多くのスタッフが集まってくれたことで、参加者の皆さまに満足していただける体制を築くことができました。
大会終了後には、参加者から好意的なメールも数多く届きました。それが今回の大会の充実ぶりを物語っていると思います。
実行委員会としては、昨年5月から打ち合わせを開始し、入念に準備を進めてきました。各方面が全力で取り組んだ結果だと感じています。
三鷹市小学生囲碁大会は、本当に素晴らしい大会へと成長していると思います。
今年は新たに三鷹市中学生大会も開催され、さらに後援として調布市にも加わっていただきました。
来年は調布市にも全面的に参画していただき、よりスケールアップした大会になる予定です。
どうぞご期待ください。
昨年は大会参加者が100人超え。
親子入門囲碁教室も約100人が参加し、合計で約200人規模のイベントとなりました。
しかし今年は、学校の公開授業が多数重なり、申込締切時点では140人ほど。
昨年比で約30%減という状況でした。
さらに追い打ちをかけるように、三鷹市内の小学校でインフルエンザが猛威を振るい、大会2日前から当日の朝までキャンセル連絡が相次ぎました。
最終的には約20人が減り、参加者は120人前後となりました。
チラシ配布の段階になって公開授業の存在を知り、さらにインフルエンザの流行。
「泣きっ面に蜂」とは、まさにこのことです。
それでも参加者は100名を超えました。
落ち込んでいる暇はありませんでした。
まずは長女がAクラスで優勝!
立派なトロフィーをいただきました。
ハンデ戦の一桁級クラスで7級として参加しましたが、まさかの優勝。
やりおる…(笑)
次男は有段クラスで3位。立派な銅メダルを獲得しました。
(5人中3位で、真ん中より下だったことはここだけの秘密です)
ちなみに各クラスのトロフィーやメダルは、会場のふじみ衛星にご用意いただきました。
長年にわたり会場をご提供いただいているうえ、賞品までご準備いただき、本当にありがとうございます。
各クラスの結果は「三鷹市小学生囲碁大会」の公式サイトをご覧ください。
長男は入門教室でスタッフとして参加。
4月から院生になる予定ですが、棋士を目指す以上、普及活動も大切な役割です。
入門指導は特に難しく、経験がものを言います。しかし入門教室の機会は決して多くありません。
今回のような機会は、長男にとっても、囲碁普及を志す関係者にとっても、非常に貴重な経験となります。
お父ちゃんは実行委員会に加わって数年。
慣れてきたとはいえ、今回は色々とあり、特に大変でした。
当日は入門教室の講師を務めながら、全体の運営状況も確認するという、なかなかな役回り。
参加者が例年より少なかったことが、結果的には救いだったかもしれません。
何とか無事に終え、ほっとしています。
今年は業務が集中してしまったため、来年は役割分担をより明確にしたいところです。
事務面でお手伝いいただける方を募集したいですね。
小田は入門教室でスタッフ。
準備段階から対局カード作成や参加者管理などを担ってくれたので、当日の参加者も把握しています。
色々とサポートしてくれました。
このように永代家はフル回転。
たくさんの方の善意で成り立っている三鷹市小学生囲碁大会を、さらに盛り上げるために全力で支えています。

日本一やさしい囲碁入門ドリル
東京子ども囲碁普及会では囲碁入門ドリルを使用しています。
簡単な問題をたくさん解くスタイルで、子どもたちも大喜びで問題に取り組んでくれます。
楽しく上達できる囲碁入門ドリルをお友達に勧めてみませんか?
クレスコ杯は少し珍しく、小学生と中学生でも平等に戦います。
東京都予選で代表者決定戦には未就学児も参加していたとか…。
未就学児から中学生までが平等に代表を争うって何だかすごい大会ですね!
もちろん、中学生が優勢となるのですが、今回の東京都代表三人のうち二人は小学生!
長男+くらしき子ども棋聖戦で決勝を争った二人です。
もう一枠(最後は小学生VS中学生が二局連続だった)もあわよくば小学生になりそうだったので、小学生の勢いもすごいですね。
あと少しで小学生が代表を独占してしまうところでした。
(ちなみに3人とも洪道場の生徒です)
これで長男は今年、少年少女囲碁大会、くらしき子ども棋聖戦に続き、3つ目の全国大会ですね。
準優勝→優勝ときていますので今回も頑張ってもらいましょう。
ちなみに最後はボンド杯の全国大会(東京都予選は2月、全国大会は京都で3月)で完全制覇となります(笑)
黒・栗田佳樹
白・永代斗真
1譜(1〜33)
長男が白番です。
黒25まではAI定石としてよく現れます。
長男はあまり定石を知らずに、いつも決まった形ばかりを打ちます。
序盤のレパートリーの少なさが当面の課題です。
白28、30は父ちゃん直伝の自慢の(?)打ち方で簡明策です。
白の立場が弱いときに、相手の強い石にツケるという作戦ですね。
白28を一路左のケイマスベリは色々と薄くて、なかなか打ちにくいところです。
2譜(34〜43)
白34は素直に受けましたが、白aで受けるほうが良さそうです。
白三子はダメが空いて余裕があるので、一間トビをしている白二子のほうへ寄せて、より弱いほうへ援軍を送る要領を見せます。
そして、序盤から苦戦の原因になったのは白40でした。
白は隅で生き残りだったので、ここまでガチガチに打つ必要はありませんでした。
結果的に黒の強い石の近くを動いており、空振り。
さらには代わりに黒41と左辺を守られては苦戦がはっきりとしました。
石の強弱の考え方も長男の大きな課題です。
1図・軽く打って先手を取る
白40では1図、白1のように二段バネで軽くサバくところでした。
黒の強い石の近くなので、軽く動くべきなのです。
そして、先手で補強したら、今度は白3の打ち込みで主導権を握りにいきます。
実戦の進行と比べたら雲泥の差ですね。
3譜(44〜83)
白は上辺を打った手前、白44から黒を攻めます。
黒に左辺と下辺を先行されている以上は、上辺で頑張るしかありません。
黒51の打ち込みに対して、白52と左上の黒を先に攻めにいったのは好判断。
左上の展開しだいで、黒51への攻めをどれほど厳しく打つかを決めます。
展開によって打ち方を変えるのは上級者の常とう手段ですね。
そして、黒53からの動きは何だか重そうでした。
白58まで白の形が立派で黒は窮屈そうです。
この流れで白60がチャンスでした。
2図
白60では、2図の白1から取って全面戦争をするべきでした。
白7からコウになりますが、これは白もやれそう。
この碁を見ていて、お父ちゃんはとりあえず深く読むことなく、白1をやるべきだと言いました。
このあたりの勘は長年の積み重ねというものもありますが、基本的にはやるかやれないか(殺るか殺られるか)の嗅覚の問題です。
ぱっと見でやれそうと判断できるかがどうかが勝負どころの大事な感覚です。
長男は、このあたりはまだまだ経験不足で、いけそうな展開でも途中で読むのを辞めてしまいます。
それは「この流れは白がやれそう」という嗅覚が強くないので、あまりこの先の展開を信じられないのでしょう。
せっかく読みはかなりのものを持っているのに、もったいない。
まだまだ青いです。
さらには白62から黒51の一子を攻めにいきますが、黒83まで軽くサバかれては、せっかくの白の厚みも台なしに。
ただ、働きが乏しい厚みと化してしまいました。
4譜(84〜118)
地が足りない白は84から形成挽回のチャンスを探ります。
ただ、このあとの黒は形勢有利を意識して手堅く打ち進める方針を取ります。
その方針が仇となったのか、黒105は何だか冴えない手でした。
二間トビという手自体が薄い手なので、あまりお勧めできないんですよね。
白106、108と突っ込んでいって、黒109と受けさせました。白118まで白も頑張れた感じです。
白は逆転のチャンスか!?
5譜(119〜146)
黒が19から仕掛けてきました。
最後の勝負所です。
何となく形勢が悪そうな白は大歓迎でしょう。
黒21が狙いの一着。
しかし、すぐさま白22の返し技が好手!
黒25と一回戻らせるのであれば、白の気合いが通ったということになるでしょう。
結局は黒41でコウを解消しましたが、白も42で要石の二子取りが右辺に利いて先手に。
白46まで無事に左辺も治まることができました。
このフリカワリは、地ではやや黒が得をしたように思えます。
しかし、もともと無理めに黒地に突っ込んでいって薄かった白が全てしっかりと治まったところに価値もあります。
私の判断としては、このフリカワリは黒が得をしたかのように見えるのですが、実際の形勢をAIで検証すると意外と差が開いていません。
このあたりの勝負所は白もしっかりと戦えていたということでしょう。
最近は長男の打ち方がAIに近いのか、現実的な手がお父ちゃんの見解を超えて良いことが多くなってきました。
これはもう本当に私には訳が分からないんですよ。
長男はAIネイティブということですね。
このあとは微細ながらも黒が終始リードしていたようです。
最後にはミスをして、一気に投了負けとなったようですが、アマ最強クラスになかなか食いついていけていたようにも思えます。
意外とやれるのか…、長男よ。
3図
白21で3図、白1と普通に受けるのはいけません。
黒4が利けば、黒8まで白のツブれです。
このレベルの戦いになると、一瞬の油断が命取りになります。
日本棋院東京本院「院生」志願書
とうとうこの時がやってきました。
長男が院生に入るべく、日本棋院のHPから「院生志願書」を印刷して記入しました。
東京本院で4月期からの志願書です。
院生になるには、願書を出したあとに試験があります。
そう、ヒカルの碁を見ていた方ならお分かりのはず。
書類審査とともに「棋譜審査」です。
そうです、お父ちゃんもやりました。
私のときはGO-NETという当時は珍しかったネット碁で、芮廼偉プロや当時のインストラクターとの対局を3局くらい提出した記憶があります。
ヒカルの碁では、進藤ヒカルの棋譜3枚は、3面打ちをした棋譜を提出していましたよね。
長男の場合はくらしき子ども棋聖戦での決勝とか、一力遼棋聖との記念対局でも提出しておけばいいか〜などと考えていたら…。
募集要項にないんですよ。
棋譜審査が。
試験碁のことしか書いてないんですよ。
びっくり。
たしかに、院生に入りたいという子どもたちは腕自慢ばかりです。
合格して当然の子どもがほとんどでしょう。
ヒカルの碁ではヒカル以外の二人が院生試験に落ちていましたが、実は院生試験に落ちた人を私は見たことがありません。
(実際には噂で一人だけいると聞いたことがありますが)
それはお父ちゃんが院生に入った30年前に聞いた話なので、それよりも前の話ということになります。
どうせ院生師範と試験碁を打つなら、それでいっかということになりますね。
4月だと長男も小学六年生。
実はお父ちゃんも小学六年生から東京本院の院生に入っているので、全く同じ時期にスタートということになります。
まぁ、親子揃ってというところですね。
肝心の棋力はと言うと…。
当時のお父ちゃんが、今の長男と良い勝負をするには「三子」置かないといけないでしょうね。
(才能が負けているとは思えないけどね!異論は認めますけど)
当時のお父ちゃんは、自慢ではないけど60人いた院生たちの中で最弱クラスでした。
1年くらいはDクラスでほのぼのと佇んでいた記憶があります。
しかし、最近では状況も一変して、当時のお父ちゃんのようなことをしていたら、一瞬で院生をクビになるでしょう。
棋士採用の人数も減りますし、厳しい時代になりました。
とはいえ厳しい時代だからこそ、院生に入る前から厳しい環境に身を置いてます。
スタートの時期は同じだけど、環境が全然違います。
こんな厳しい時代とはなりますが、長男には何とか頑張ってもらいたいものです。
どうなっても良い人生経験となるのは間違いありません。
院生推薦人欄
院生志願書には推薦人が必要です。
推薦人欄には、長男が通っている洪道場の洪清泉先生に書いてもらいました。
そういえば、お父ちゃんも推薦人は長崎県在住の高原周二九段になってもらいました。(詳しくは週刊永代囲碁塾をどうぞ!)
洪先生と同じ関西棋院ですね。
同じ関西棋院ということを、書きながら気付きました(笑)
当時はまだ日本棋院と関西棋院のわだかまりは大きく、推薦人の欄に高原九段の名前は表記させてもらえませんでした。
60人いる院生名簿の中で、一人だけ空欄だったお父ちゃんです。
お父ちゃんもなかなか伝説を残している人ですね(笑)
囲碁界的には院生に入ると正式に門下入りという表現を使ったりします。
院生に入る前は教室生などと表現されることも多いですね。(その限りではないですが)
正式に門下への了承を得たので、長男も身が引き締まる思いでしょう。
たった一日だけのことなのに、少し顔つきが変わったような気がします。
これからは洪先生の顔に泥を塗ることがないように、精一杯に頑張ってもらいたいものです。
よく棋士になってからがスタートラインと言います。
そう考えると院生に入るというのは、スタートラインを目指すスタートライン…(笑)
まだまだ先が長い道のりですが、一歩ずつ確実に前に進んでいってもらいたいものです。
もちろんゆっくり歩くということではなくて、走り抜けてもらいますけどね!
頑張れ!
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永代囲碁塾
(祝)長男、くらしきの全国大会で優勝!(永代囲碁塾ブログ)
永代さん(東京)鄭さん(大阪)優勝 くらしき吉備真備杯こども棋聖戦 (山陽新聞)
一力遼棋聖との優勝記念対局
一力遼棋聖に長男が挑みました!
手合いは自由に決めていいらしく、二子でお願いすることにしました。
実際は三子でも勝つのは厳しいとは思いますが、三子で負けるよりは二子で負けたほうがですね…(笑)
一力棋聖が座っている椅子は岡山県産の木材を使用して製作されたものらしいです。
このあと一力棋聖にプレゼントされたようですね。
デザインが宙に浮いているようで面白いです。
二子で挑みましたが、打つたびに黒石が危なくなり、最後には盤面中の石が取られそうな勢いで破壊されていきました。
それでも何もせずに負けるよりは良いと思います。
長男の碁には元気がないことも多いので心配もあったのですが、これだけ打てれば十分です。
見ている人も楽しかったでしょう(笑)
こんなにボロボロにされてからのリベンジ!という今後のサクセスストーリーも作れます(笑)
一力棋聖、手厳しいご指導をありがとうございました!
リアルタイムでの大盤解説をしていただいた、佐田篤志プロと姉弟子の甲田明子四段もありがとうございました。
そして、立派な本大会を毎年開催してくれている倉敷市にも感謝を申し上げます。
次は次男や長女がお世話になりたいです!(え?)
左から甲田明子四段、長男、一力遼棋聖、佐田篤史七段
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前回の記事:長男、くらしきの全国大会でベスト4に残る!
山陽新聞:永代さん(東京)鄭さん(大阪)優勝 くらしき吉備真備杯こども棋聖戦
準決勝(静岡代表)と決勝(東京代表)に勝って「優勝」しました!
長男が優勝しました!
— 永代和盛(永代囲碁塾) (@nagayojyuku) December 21, 2025
だいぶ悪そうでしたが、右上隅をごにょごにょして逆転しましたね。
ご褒美に、一力遼棋聖と二子で記念対局させてもらえます。#くらしき吉備真備杯 #子ども棋聖戦 https://t.co/NSh8PjBW31
詳しくは、またあらためてご報告します!
「左」低学年の部優勝・鄭 智皓
「右」高学年の部優勝・永代 斗真
「表彰式」4位までの入賞者
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岡山県の倉敷で、昨日と今日の二日間で全国大会があります。
今回で15回目。
本大会の特徴は、小学生のみの出場で、低学年と高学年にクラスが分かれていることですね。
長男は小学2年生のときに低学年の部で優勝しています。
このときはコロナが流行しているときで、優勝候補だった宮崎県の岩切くんが休んだということが大きかったですね。(多分、他にも休んでいた子もいたでしょう)
現在の低学年の部は、長男が優勝したときの棋力とは比べものにならないくらい強い子ばかりです。
低学年の部・決勝トーナメント表
高学年の部・決勝トーナメント表
長男は東京代表として出場しており、予選リーグを3連勝して決勝トーナメントへ進出しました。
決勝トーナメント一回戦の相手は古川聖くん。
お父さんは私の院生時代の同期(年齢は一個上)で院生でもプロ試験でも激しい争いをした仲です。
彼も院生Aクラストップを取ったことがあったような気がします。
そんな勝負をしてはいましたが、彼の家に遊びに行ったりしたこともあり、そこそこ仲良くしておりました。
院生卒業後もお互いに似たような感じで、普通の社会人をしたあとに、囲碁関係のお仕事へ。
今は青森の地元で囲碁教室をやっているようです。
息子くんの聖くんと長男は全国大会で何回か一緒になっており、いつぞやの全国大会の様子を聞いたときに
長男が「古川が〜」と楽しそうに話してきたくらいで、いつの間に仲良くなっていたんだ!という感じでした(笑)
先日の少年少女の全国大会では、休憩時間に二人で走り回っていました…。
似たものどうしなのかもしれません(笑)
とはいえ、仲良しでも勝負となれば別です。
このあたりはお互いの両親を見れば分かるでしょう。
息子たちも同じで、何の遠慮もないでしょう。
勝負の世界特有の関係性だと思います。
「試合が終わったらノーサイド」というやつですね。
これはラグビーだったかな?(笑)
結果は長男が勝利してベスト4に進出です。
(ちなみに聖くんのお母さんは古川こんゆプロです。)
長男の次のお相手は静岡代表の廣田騎士くん。
名前が格好良いですね。
地元で行われた天元戦の前夜祭で花束のプレゼンターを務めていたようです。
去年の本大会では見事に準優勝!
今回もベスト4に残り、安定感がありますね。
長男とは決勝で岩切くんに負けた仲間となってます。
岩切くんは逆の山で残っているので、リベンジに燃えている二人といったところでしょうか。
やはり岩切くんは今大会の本命でしょう。
安定感が抜群というよりは、実力的に一歩抜き出てると思います。
誰が岩切くんを倒すかが本大会の一番の注目ですね。
岩切くんの準決勝の相手は東京代表の伊藤章紘くん。
伊藤くんは私の師匠の岩田子ども教室に通っていたり、洪道場にも勉強に来ています。
実力は長男と勝ったり負けたりと好勝負ですね。
棋風もしっかりと打つタイプなので、岩切くんが少しでもミスをしたら落ち着いて勝ちにいくでしょう。
まずは注目ですね。
さぁ、4人の結果やいかに!
(低学年の部のほうはあまり詳しくなく…。優勝候補は去年も優勝している鄭くん。史上初の連覇なるかな?)
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