2025年7月13日、滋賀県東近江市の「迎賓庵あけくれ」で開催された第10回 扇興杯 女流最強戦で、上野梨紗 女流棋聖が初優勝を果たしました!
女流囲碁界のトップをひた走る、前チャンピオンの藤沢女流本因坊との対決は、終始息を呑むような展開。
中盤終わりのほうまでは藤沢女流本因坊がリードしていて、途中はあと少し黒地を減らせば勝ち、のようなゆっくりした打ち方をしていたので、勝ちを確信していたのかなと思っていました。
しかし、結果は上野女流棋聖の逆転勝ち。
半目勝負ではとてつもない勝率を誇る「半目の女王」を相手に、見事に半目勝ちを収めて優勝を決めました。
上野女流棋聖「すごく緊張しましたが、最後まで自分の碁が打てました」
これで国内二冠となり、名実ともに“トップ女流棋士の一人”であることを証明しました。
主催:日本棋院/関西棋院/産業経済新聞社
協賛:SENKOホールディングス
形式:トーナメント方式、一発勝負の短期決戦
賞金:優勝 800万円(推定)
2023年の姉・上野愛咲美六段の優勝に続き、2025年は妹・梨紗がタイトル獲得。
姉妹でのタイトル交互制覇は、扇興杯史に残る快挙。
実は、上野梨紗女流棋聖は今年3月に行われた国際棋戦「SENKO CUP ワールド碁 女流最強戦」でも優勝しています。
日本代表として姉・愛咲美や崔精(韓国)ら世界の強豪を破り、“世界一の女流棋士”としての実績も残しました。
──SENKO CUPでは“世界一”、そして扇興杯では“国内一”。
わずか数か月で、扇興杯のダブル優勝を達成した快進撃は圧巻です。
※ SENKO CUPの優勝賞金は 1000万円 とされています。
項目 | 内容 |
---|---|
優勝大会 | 第10回 扇興杯 女流最強戦 |
対局日 | 2025年7月13日 |
決勝相手 | 藤沢里菜 七段 |
勝因 | 中盤の冷静な対応と終盤の正確なヨセ |
補足 | SENKO CUPワールドでも優勝済・賞金1000万円 |
今年の囲碁界、女流の注目に上野梨紗女流棋聖&扇興杯がぐっと躍り出てきました。
国内外での快進撃に、今後も大きな注目が集まります!
2025年6月25日、記念すべき第50期碁聖戦の第1局が、日本棋院東京本院にて行われました。
挑戦者は芝野虎丸十段。
昨年に続き2年連続の挑戦で、前回はストレート負けを喫していますが、今回は一味違います。
春の十段戦では井山十段(当時)をストレートで破って十段を奪取。
直近の本因坊戦挑戦手合でも一力遼本因坊を相手に、劣勢な状況から食らいつき、星を五分に戻して最終局まで持ち込んでいます。
一方、迎え撃つ井山裕太碁聖は現在5連覇中。過去にも6連覇を果たしており、このタイトル戦では圧倒的な実績を誇ります。
そんな二人の初戦、今回は芝野十段が黒番。
持ち時間各4時間、秒読みは残り5分からというスピーディな早碁形式の一日制です。
結果は午後5時38分、159手までで芝野十段の中押し勝ちとなりました。
昨年は三連敗でタイトルを逃した芝野十段にとって、今回の先勝は非常に大きな意味を持ちます。
対局内容もほぼ完勝と言ってよいのではないでしょうか。
幸先の良いスタートを切りました。
舞台は日本棋院東京本院。歴史と伝統を誇るこの場所で、第50期という節目の碁聖戦初戦が行われるのは、まさにふさわしい舞台設定でした。
立会人は片岡聡九段。
穏やかで柔らかい語り口が印象的な棋士で、タイトル戦の進行役としても安心感があります。
優しくダンディーなおじさまです(笑)
記録係は大西研也六段と張心澄二段。
若手の二人がしっかりと記録を務め、現場に爽やかな空気を添えていました。
解説には鶴山淳志八段(新聞)、沼舘沙輝哉七段(幽玄の間)と、若手〜中堅の実力者が勢ぞろい。
今後を担う布陣としてもバランスの良い顔ぶれでした。
タイトル戦では毎回話題になるのが“昼食”と“おやつ”。
今回の昼食は、芝野十段が「あづまやの親子重」、井山碁聖が「明治座の桔梗」。
いずれも東京本院近辺の定番メニューですが、今回はどんな心境で決めたのでしょうか。
おやつは井山碁聖が「ガトーショコラとリンゴジュース」。
芝野十段が「ブルーベリーフロマージュとももジュース」。
芝野十段は甘党なイメージですが、井山碁聖もしっかりと甘いものを補充してますね。
対局の緊張感とは裏腹に、こうした柔らかい場面があることが、タイトル戦のもうひとつの魅力ですね。
ときには盤上よりも食レポで盛り上がることもよくあるくらいです(笑)
第2局は7月9日(水)、日本棋院東京本院にて行われます。
2回目の6連覇に向けて、二連敗は避けたい井山碁聖。
対して、絶好調の勢いそのままに突っ走るか、芝野十段。
次局も楽しみです。
永代囲碁塾
2025年6月25日、いよいよ第50期碁聖戦五番勝負が日本棋院東京本院にて開幕しました。
第50回という記念すべき節目の期に登場したのは、井山裕太碁聖と、挑戦者の芝野虎丸十段。
井山碁聖は直近の3期でストレート勝ち。
さらには第46期からの「5連覇」という大記録がかかった重要なシリーズです。
(第37期-42期の6連覇とは別で)
一方の芝野十段は、2年連続での挑戦。
昨年の3連敗ストレート負けの雪辱を果たすべく、再びこの舞台に帰ってきました。
(先日の十段戦では芝野十段が3−0ストレート勝ちをしておりましたが)
ちなみに今回の立会人は片岡聡九段。
温厚な人柄と的確な分析で知られるレジェンド。
そして、記録係は大西研也六段と張心澄二段です。
対局の模様は、いつもの通り「幽玄の間」での中継に加え、日本棋院のYouTubeでも同時配信されていて、ファンの間でも大きな注目を集めています。
井山碁聖が節目の五連覇を飾るのか。
それとも、最近絶好調の芝野十段が世代交代の狼煙を上げるのか。
このシリーズも楽しみですね。
永代囲碁塾
三重県鳥羽市・旧旅館「戸田家」を舞台に行われた本因坊戦第四局。
挑戦者の芝野虎丸十段が白番、236手で中押し勝ちして、シリーズ成績を2勝2敗のタイに戻しました。
消費時間は・・・ 一力本因坊=2時間58分 芝野十段=2時間57分
勝負の行方は、ついに最終局に持ち越されました。
決着をつける第五局は、2025年7月2日(水)、神奈川県箱根町「ホテル花月園」にて対局予定です。
一力本因坊の三連覇か、あるいは芝野十段による本因坊奪取か。
どんな碁になるのか、とても楽しみです。
ちなみに、次局の会場「ホテル花月園」は、古くから多くのタイトル戦を誘致しており、囲碁や将棋に対する理解が深いことで知られています。
永代囲碁塾でも、これまで何度か囲碁旅行会を企画し、お世話になってきました。
さらにさかのぼると、私の師匠が主宰している岩田会でも、この場所で数十回にわたり囲碁旅行会を開催しています。
私自身もたくさんの思い出のあるホテルで懐かしく思います。
決着の舞台となるこの地で、どんな物語が生まれるのか・・・。
注目です。
永代囲碁塾
本因坊戦も、ついに第四局を迎えました。
あれ、もうカド番?と思った方もいるかもしれませんが、そうです。
今の本因坊戦は五番勝負!
かつての七番勝負から縮小されて、持ち時間も「各8時間 → 各3時間」に短縮されています。
時代の流れを感じますね…。
今回は三重県・鳥羽市の戸田家という老舗旅館が舞台。
窓の外には穏やかな鳥羽湾が広がり、潮の香りがほんのりと漂ってくるような落ち着いた空間で、今日の大一番が始まりました。
今回のおやつタイムは…
虎丸十段は甘党らしいチョイスですね。
一力本因坊はアイスティーだけですか・・・。
気合いが入っているときは、あまりお腹に食べ物を入れないという人が棋士では多いのですが、今回はそんな感じかもしれません。
鳥羽の会場は、海も山も見えるとても素敵な場所。
対局室は畳敷きで、障子越しに自然光が入る柔らかな雰囲気。
タイトル戦を戦う棋士にとっては馴染みのある対局場かもしれません。
先日の福岡で開催した虎丸子ども囲碁大会でも虎丸十段は「対局場は落ち着ける空間が良い」と話しておりました。
虎丸十段にはぴったりの会場かもしれませんね。
ちなみに、鳥羽市では今回の対局にあわせて観戦と一緒に観光キャンペーンも実施中。
囲碁を楽しみながら、現地の観光を楽しむというのは囲碁イベントあるあるの醍醐味ですよね。
現在の戦績は一力本因坊が2勝1敗で防衛に王手です!
芝野十段には後がない状況です。
ただ、前局では虎丸十段が勝っているので、勢いを保てば…という期待も十分。
本局を取って2勝2敗のタイに戻せれば、最終局は7月の新潟「赤倉観光ホテル」で決着という展開になります。
この一局は見逃せません!
聖良ちゃんが亡くなったという突然のニュースに言葉を失いました。
私が知ったのは二日前のお昼頃で、仕事の直前に知り合いが教えてくれました。
半信半疑ではありながらも、冗談にするような内容ではないので、動揺しながらネットを確認しました。
そこでXでの日本棋院のポストに訃報のタイトルが・・・。
この瞬間に「やっぱりそうだったのか・・・」と、信じたくないけど、厳しい現実を認めざるを得ませんでした。
それでも、このポストの詳細を開こうとしてはためらい、それを何度も繰り返し、気持ちの整理がついていない状況が続きました。
聖良ちゃんとは何度か対局しており、まだ21歳なので今後、棋戦や囲碁普及で活躍してくれるだろうと、ちょっとした近所のおじさんのような感じで応援していました。
母親である大沢摩耶さんとは院生時代から一緒で、その後も一緒にたくさんのお仕事をしてきたということもあります。
いろんな思い出がよみがえり、とにかく表現する言葉が見当たりません・・・。
私が、聖良ちゃんと最初に対局したのは囲碁将棋チャンネルの番組『ザ・パッション』という棋力認定番組です。
棋士が解説、司会が稲葉禄子さん、対局相手がインストラクター(最後は棋士)という布陣で全6回で棋力判定をして、半年間でどれだけ成長するかを視聴者に見てもらうという内容です。
そこで当時、院生になる前の小学生だった聖良ちゃんのデビュー局の相手を私が務めました。
申告棋力は三段で、手合い割は六子。
まぁ、置き石が多いときはインストラクターが苦しみながらも最後には逆転するというのがセオリーです。
しかし、聖良ちゃんはそんな器ではありませんでした。
100手くらいで碁盤の上半分くらいの白の大石を撲殺されてしまいました。
碁盤の下半分は数手しかないほどの大激戦。
内容は、途中で攻め合いの難しい局面に入り、六子だしすぐに間違えるだろうと楽観しながら打ち進めていると、その後の黒は正確に白を仕留めてきて唖然とした記憶があります。
対局時に私の体は前のめりになっており、対する聖良ちゃんは姿勢正しく、稲葉さんから「どっちがインストラクターか分からなかったね」と言われたほどです。
私はあまりの悔しさに「もう一度打たせてください」と、この番組で初めて再戦を志願しました。
スタッフもこの意思を汲んでくれて、結局はこのシリーズで3局も打たせてもらいました。
2局目も3局目も大激戦になって、聖良ちゃんの才能が爆発した話題のシリーズになったと思います。
さらに、その後プロになったあとに、摩耶さんが「あのパッションの対局をきっかけにプロを目指してみたいって言ってたよ」と教えてくれました。
これを聞いたときは本当に嬉しかったし、これからはどんなことがあっても応援していこうと思いました。
そして、摩耶さんからの言葉を聞いて、すぐに再戦したいと思いました。
永代塾囲碁サロンのイベントとして聖良ちゃんと摩耶さんの親子をお呼びして、公開対局を開催しました。
のちの「永代 VS 女流棋士」の十番勝負へと発展していったイベントとなりました。
今後もタイトルなどを獲得したら記念イベントなどをやって応援したいと思わせてくれる、素直で優しい女の子でした。
本当にご冥福をお祈りいたします。
1日目の結果
昨日、注目の1回戦と2回戦が行われました。
勝ち進んだ選手は5月10日(土)に行われる2日目(3回戦〜決勝)に進出します。
昨日の記事では、本命として上野梨紗さんを推させてもらいましたが、やはり2連勝。
唯一のタイトルホルダーとして役割を果たしています。
強いですね。
個人的には柳原咲輝ちゃんが、一回戦で吉原由香里さんを破ったものの、2回戦で奥田あやさんに負けてしまい残念でした。
実は私、咲輝ちゃんと対局したことがあります。
彼女が6歳(年長)のときに……(笑)
当時、咲輝ちゃんは関西のほうに住んでいたかと思いますが、渡辺和代きっずカップの参加に合わせて東京にきました。
その際にお母さんとは昔からの知り合いということもあり、永代塾囲碁サロンに寄ってくれたのです。
そして、対局。
たしか、妹ちゃんと二面打ちで(笑)
たぶん、六子くらいだったかと思いますが、結果は忘れました。
でも、年長にしては強すぎるということをはっきりと覚えています。
当然、翌日の渡辺和代きっずカップでは優勝しておりました。
その後はプロを目指せるとは思っていましたが、ここまで活躍するとは!というところです。
今後も楽しみですね。
お楽しみに!!
チラシを見ると、出場棋士の顔写真が35人分掲載されています。
(審判、運営委員、司会のポジションが気になりますが)
豪華ですね〜。
優勝・・・55万円
準優勝・・・25万円
そして、3位以下も賞金が用意されているようです。
総額は不明ですが、200万円ほどでしょうか。
これは頑張りたくなる大会ですね。
大会のライブ配信はこちら↓
主催は「囲碁文化振興議員連盟」。
会長の柳本卓治さんは元国会議員ですが、囲碁好きとして知られてる方です。
私も「囲碁サロンRanca」でインストラクターをしていた際に、何度か対局させていただいたことがあります。
昔から囲碁界を応援してくださっている方で、囲碁界全体で大変お世話になっております。
相談役には他に国会議員の方のお名前も。
国会議員には囲碁好きな方が多く、いつも応援ありがとうございます!
藤沢里菜さんと上野愛咲美さんが出ていないこともあり、やはり本命はタイトルホルダーである上野梨紗さんになるかと思います。
そこにタイトル戦の常連メンバーや若手棋士がどう絡んでいくかというところですね。
どのような展開になるのか、楽しみですね!
チラシに掲載された出場棋士の一覧
大会の概要が書かれた案内部分
イベント概要
2023年の七大棋戦および女流棋戦(テイケイグループ杯女流レジェンド戦を除く)の賞金対局料による、ランキング上位12名の女流棋士が参加する棋戦です。
参加棋士と試合形式
参加棋士には、藤沢里菜女流本因坊、上野愛咲美立葵杯、牛栄子扇興杯などのトップ棋士が含まれます。
上記3名はランキング上位によりシードされ、前回優勝者の大森らん二段とともに2回戦からの出場となります。
1回戦には小林泉美七段、鈴木歩七段、謝依旻七段、向井千瑛六段、星合志保三段、辻華三段、上野梨紗二段、高雄茉莉二段の8名が出場。
5月に行われた対局では鈴木歩七段、高雄茉莉二段、向井千瑛六段、星合志保三段が勝ち上がりました。
大会スケジュール
2回戦は6月7日に行われ、準決勝と決勝は6月8日に広島県廿日市市「フマキラーブレーンズ・パーク広島」で開催されました。
2回戦は藤沢里菜女流本因坊、上野愛咲美立葵杯、牛栄子扇興杯、鈴木歩七段の4人が勝利して準決勝に進出しました。
準決勝・決勝の結果
「準決勝」
○藤沢里菜女流本因坊―牛栄子扇興杯×
○上野愛咲美立葵杯―鈴木歩七段×
「決勝」
○藤沢里菜女流本因坊―上野愛咲美立葵杯×
藤沢里菜女流本因坊が優勝!
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詳細は以下のリンクをご覧ください:
男子団体戦を振り返っていきたいと思います。
一力遼棋聖をキャプテンとして、芝野虎丸名人、関航太郎天元、井山裕太王座、佐田篤史八段というメンバーです。
5人ちょうどのエントリーで補欠がいなかったことが苦戦の原因の一つだったでしょう。
JOCの判断だということで、囲碁界側ではどうにもならずに悔しいところではありました。
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予選は苦戦ながらも4位通過
男子団体は予選で韓国に敗れて3勝1敗で迎えた第五戦。
相手は台湾(中華台北)でした。
下馬評的には中国と韓国には少し厳しいものの、台湾には勝利するだろうというのが大きな見立てでした。
しかし、フタをあけてみると…。
関航太郎天元が、個人戦で金メダルを獲得した許皓鋐九段に敗れたのを皮切りに…。
他の日本選手も続々と負けてまさかの1-4で敗北。
3勝2敗となってしまいました。
さらには最終戦は手空きということで、他チームとの同星になったさいのポイント計算も微妙なことに。
予選敗退もかなりありえる状態でしたが、ポイントを計算すると同率の中で一勝分だけのポイントで上回り予選通過。
本当にぎりぎりの予選通過でした。
井山さんが台湾戦で唯一挙げた一勝がものを言ったようです。
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準決勝の相手は韓国!予選のリベンジなるか
韓国には予選で0-5で完封負けしています。
準決勝はどうだったでしょうか。
結果は…。
またもや0-5で完封負け。
厳しい…。3位決定戦に回ることになりました。
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3位決定戦は台湾!リベンジ達成!
泣いても笑っても最終戦となる3位決定戦は台湾と。
予選で1-4で負けているのでリベンジをしたいところです。
結果は…。
今度は逆に4-1で勝利しました!
これで3位となり銅メダルを獲得しました!
女子団体に続いての銅メダル、おめでとうございました!
全体的に調子の悪そうだった芝野虎丸名人も最終局は快勝しました。
その1局を『IGO-CNP囲碁チャンネル(YouTube)』で解説しています。
芝野名人の華麗な打ち回しをごらんください。
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