井山、依田が勝利【第27回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦第3ラウンド第10戦、第3回農心白山水杯世界囲碁シニア最強戦第2ラウンド第7戦】
本棋戦の農心辛ラーメン杯(以下農心杯)は日本、中国、韓国で5人ずつを出しあい、勝ち抜き戦形式で世界一の囲碁最強国を決めます。
日本は20年前の第7回以来、優勝がありません。
そんな中で、頼れる日本の裏ボス(通称魔王)である井山裕太碁聖がやってくれました!
11月に行われた第9戦で中国選手からの勝利に引き続き、今回の第10戦では朴廷桓九段(韓国)に勝利!
見事に2連勝を果たしました。
次戦は本日、丁浩九段(中国)です。
丁浩九段は現在、世界ランキング2位の強敵。
そんな強敵を相手に井山碁聖の3連勝なるか。
農心杯はラウンド内で毎日続けて対局されるので、体力的にはなかなか厳しいものがあります。
それでも、20年ぶり囲碁最強国の奪還へ向けて、注目の一戦です。
日本は「一力遼棋聖」と「井山裕太碁聖」。
勢いのある一力棋聖と経験豊富な井山碁聖の両輪で世界一の奪還を目指します。
中国は世界ランキング2位の「丁浩九段」と世界ランキング3位の「王星昊九段」の二人。
どちらも世界戦で優勝経験があり、現在は勢いもある強敵です。
そして一番の注目は、韓国の「申眞諝九段」(世界1位)です。
この農心杯で窮地に陥った韓国を何度も救ってきた不動の世界一プレーヤーです。
第22回はラストで5連勝の逆転優勝。
第23回もラストで4連勝の逆転優勝。
第24回はラストに勝利して優勝。
第25回はラストに6連勝して逆転優勝。
第26回はラストに2連勝して逆転優勝。
直近過去5大会で18連勝の負けなしを記録しており、5年連続の韓国優勝は申眞諝九段あってこその結果です。
現在は世界のラスボスが申眞諝九段なのです。
今回も韓国が優勝するには第12戦から出場する申眞諝九段が3連勝をするしかなくなりました。
実際にその可能性は否定できないのですが、今回はどうでしょうか。
何となく昨年までの申眞諝九段とは違って、勢いに陰りが出てきていると思います。
今年は韓国は優勝しないと予想します。
優勝はもちろん日本ですよ!!
井山碁聖があと3連勝(通算5連勝)で決めちゃってください!
黒・井山裕太 碁聖(通称魔王)
白・朴廷桓九段(韓国)

本局は朴廷桓九段という世界戦で10回ほどの優勝経験がある強敵を相手に、井山碁聖がバシッと決めてくれました!
この農心杯シリーズは日本に優勝を決めてもらって「週刊永代囲碁塾」で徹底解説したいですね!
ぜひ、そうなってほしいです!
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芝野十段が勝って1勝1敗に【第50期棋聖戦挑戦手合七番勝負 第2局】

封じ手予想ですが、黒1で見事に大当たり!
まぁ、今回は二択くらいしかないので、けっこう当たるかなとは思っていました。
良かった、良かった。
黒・一力 遼 棋聖
白・芝野 虎丸 十段

いやー、すごいことになりましたね。
黒は中央の黒13子を取られたものの、猛烈に追い上げて半目勝負となりました…。
結局は白の半目勝ち。
芝野十段はぎりぎり逃げ切って、薄氷の勝利でしたね。
それでは終局図を見てみましょう。
棋譜のうえではここで終わりです。
でも、なんだか不思議ですよね。
まだ打つところが残っているように見えます。

実際に終局して整地するときには、白1で黒13子を取り上げることが必要です。
ほっておくと下辺白との攻め合いで、黒からホウリ込みが炸裂して一番下の白七子が取られてしまいます。
それは大逆転!(笑)
黒2については、すぐにアタリになるので必要ですね。
そして、白3がややこしいところです。
実戦はどちらからも打たずに終局してますよね。
これを説明します。

黒から2へ打つと、一見して黒地が1目増えたように思いますよね。
しかし、あとから全てのダメがつまると、黒は両アタリが待っているのです。
結局は黒が手入れをするので、トータルでは同じということです。
ここはお互いに打っても打たなくても同じ、ということで放置していた理由になります。

さて、ではなぜこれで棋譜を終わりにするようになったかと言いますと…。
個人的な見解ですが、昔の日本では囲碁は勝負というよりも文化の意味合いのほうが強かったからだと思っています。
両対局者が実力を見せ合って、お互いに美しい碁を打とうという精神ですね。
なので、せっかく綺麗に打った一局なのに、整地のために手入れやダメづめをして棋譜がゴチャゴチャになるのは許せないのでしょう。
これはもう完璧なる美学です。
実際は級位者にこの終局図を見せても「これで終わってるの?」という反応が返ってきそうです。
いや、有段者でも怪しいか…。
さらに問題なのが、ここで棋譜をつけるのを辞めたけど、ダメづめのときに思わぬアクシデントがあったりもします。
手が残っていることに気づかず、手入れをせずに終局しようとしたら手を付けられて逆転…。
まあ、碁会所ではよくある光景です。
こういうときは文化的な要素が強いところでは、終局前に手を付けるのはなし!ということで手が残っていても相手に教えてあげて、手入れを促すことになります。
「黙って相手の地中に手を付けにいかない」という文化ですね。
しかし、さすがにプロの世界ではこんなことは起こりません。
だからこそ、ここで棋譜が終わるのです…。
……。
いや、プロの世界でもありました…(笑)
この話をすると長くなるので割愛しますが、こういうふうにあちらを立てればこちらが立たず…というような状況が生まれています。
何を優先するかは時代によりけりかもしれませんが、このような文化的な美学があるということはお伝えしておこうかと思います。
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一力棋聖が111手目を封じて1日目が終了【第50期棋聖戦挑戦手合七番勝負 第2局】
ハワイでの開幕局ですが、対局している二人は浮かれることはないと思いますが、周りの皆さまはだいぶウキウキされていたように見受けられます…(笑)
そんな中で心機一転!
一力遼棋聖の先勝のあとの二局目!
芝野虎丸十段がどう反撃するかが注目です。
黒・一力 遼 棋聖
白・芝野 虎丸 十段
棋聖戦二局目・一日目終了時点
何度も伝えていることかと思いますが、平田八段の「一力はいつも自分の石が死ぬわけがないと思って打っている」という証言があります。
しかし、今回はさすがにどうでしょうか。
一日目終了時点で真ん中黒の12子には一眼もありません。
しかも、封鎖されていて脱出は難しそうな気も…。
ここで封じ手となりましたが、ここから一力棋聖の妙手が飛び出すのでしょうか…。
棋聖戦第二局・封じ手予想
うーん、白の包囲網を脱出するこは不可能なので、逆に白の包囲網を破壊するしかありません。
ということで黒1のツケコシを封じ手予想にしたいと思います。
中央の切りと二択だと思うのですが、ツケコシにしてみます。
この黒が脱出できれば、左上の白が死に残りです。
白も一歩間違えば全滅してしまう局面ですね。
いずれにしてもハラハラドキドキしすぎる展開となっています。
こわーい!!!
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一力棋聖が先勝【第50期棋聖戦挑戦手合七番勝負 第1局】
棋聖戦がハワイで開幕!(封じ手予想あり) (永代囲碁塾ブログ)

1図、私の封じ手予想は左上白をしっかりと取り切る一手でした。
しかし、実際の封じ手は黒1のノビ!
うーん、当たらない。
碁盤の左半分に打つなら取り切る一手、碁盤の右半分としたら全く予想できないですね(笑)

2図、封じ手からまだそう手数が進んでいない129手目です。
黒1が勝率を90%から40%まで下げてしまいました。
白2と左上の白を助けられて以降は、黒の形勢がよくなることはなかったようです。
このあとの白はこのまま黒に隙を見せることなく、押し切りました。
この流れだけでいうと、この黒1が敗着ということになりそうです。
結果的には封じ手で左上の白を取る手が良かったということでした。
囲碁って難しい…。
ハワイでの開幕局は一力棋聖の勝利となりました。
注目の第二局は1月30日に広島県尾道市 「Ryokan尾道西山」で行われます。
第一局の一日目は一力棋聖が不調かなと思いましたが、二日目はさすがの内容でしたね。
二局目以降はどうなるか。
勢いそのままに一力棋聖が突っ走るのか、それとも芝野虎丸十段が反撃するのか。
まだまだ楽しみですね。
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プリンス ワイキキで開幕【第50期棋聖戦挑戦手合七番勝負 第1局】
一力棋聖は十段戦の本戦トーナメントで敗退してしまい、今年中の七冠達成は不可能になりました。
とはいえ、タイトル戦として一年の始まりを告げる棋聖戦から、七冠へ向けて再始動となります。
一力棋聖としては、ここを落とすわけにはいきません。
対する芝野十段は、ここ最近は一力棋聖にやられ気味なだけに、ここらで反撃の狼煙をあげたいところ。
その舞台がこの棋聖戦というのは、まさに絶好のチャンスでしょう。
そして何より、日本囲碁界の序列1位である「棋聖」の座を奪い取りたいという気持ちも、強く持っているはずです。
さあ、シリーズの行方はどうなるか。
今回の棋聖戦の開幕局は、ハワイでの開催となっています。
前日の検分まではアロハな雰囲気も伝わってきましたが、本日はさすがに空気も変わるはず。
ハワイの熱気に負けない一局になることは、間違いないでしょう。
黒・芝野 虎丸 十段
白・一力 遼 棋聖
1図
1図、一力棋聖が白40手目で勢いよくボウシで攻めた場面です。
気合いが入りすぎていたのか、これは少し急所を外していたようです。
すかさず、芝野十段は黒2と反撃。白の眼を奪いつつ、黒の眼形を増やします。
さらに黒は両ノゾキを狙っているので、白5の守りは必須。
白は何の得にもならない一手を打たされてしまって、後手に回ったことから形勢を損じてしまいました。
2図
2図、白40で正しくは白1が急所だったようです。
たしかに、白1のところが黒か白かを比べると景色が段違いですね。
お互いの眼形の急所だということが分かります。
白40は気合いの入った一手でしたが、結果的には気負いすぎな一手となったのかもしれません。
3図
3図、黒1、3(黒77)とハネツギをしました。
これに対して白が左下を手抜くと、地も眼形を奪われて危なくなってしまいそうですよね。
白4の受けは当然の一手に見えます。
しかし、黒はすかさず黒9までとして、黒の二眼生きを確保しながら、白の眼形を奪いました。
現時点では白には半眼(白があと一手打てば一眼) しかありません。
ここで、黒が一気に攻勢に立ちました。
4図
4図、白1を決めてから白3で黒一子を抜くのが良かったようです。
これで左下隅白の眼形を奪われても、下辺の黒三子を制しておけば問題ありません。
こちらのほうが地も大きく、精一杯に頑張れるところでした。
先ほどは気合いの入れすぎだったのに対し、今度は守りすぎました。
少しバランスが崩れているようで、一力さんの勝率がなかなか伸びません。
最近の一力さんにしては少し珍しいかなと思う展開です。
ハワイ対局ということで日本時間とはかなり時差がありました。
朝起きたらかなりの手数が進んでいて夢でも見ているのかなと思ったのですが、ハワイ対局ということを思い出して、自分が寝ぼけていることに気付きました(笑)
さて、封じ手の局面です。
黒の封じ手予想
黒1の出る手しか分かりません!
目数にすると25目くらいでしょうか。
うーん、大きい。
他の手は当てるのが難しそうなので、とりあえず黒1にしておきます!
皆さんの予想はどこでしょう?
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第一局目を勝利して、応氏杯と合わせて世界戦二冠に王手をかけた一力棋聖。
しかし、第二局と第三局に負けてしまい、世界戦二冠ならず。
惜しくも準優勝となりました。
準優勝とはいえ、世界で互角以上に戦えることを証明してくれました。
先日の新韓銀行世界棋仙戦では芝野虎丸十段がベスト4に入っています。
日本勢が世界で戦える状態になってきています。
今後に期待しましょう!
黒・一力遼棋聖 白・申旻埈九段(韓国)
1図
1図、実戦は申九段が白1とアテ込んだところです。
これに対して大人しく受けていれば、互角の形勢でした。
2図
2図、一力棋聖は黒1から反発していきました!
場合によっては中央白の大石を取ってしまうぞ!という迫力のある一手ですね。
世界戦優勝決定局でこの一手を繰り出すとは度胸満点です。
しかし、結果的にはこれがやり過ぎだったようで、この後の形勢は白に好転していきました。
やはり、大石を取るのは大変なんですね…。
相手がトップ棋士なら、なおさらです。
結果は準優勝でしたが、日本の囲碁ファンは大きく盛り上がりましたし、また次回にも期待ができる内容でした。
引き続き応援していきましょう!
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一力棋聖の快進撃が止まりません!
昨日に行われたLG杯の決勝で、韓国の申旻埈九段に黒番で中押し勝ち!
序盤から終始苦しい時間が続いていましたが、最後には大逆転勝利となりました。
これで応氏杯に続いて、世界戦二冠へあと一勝となりました。
次回の第二局は1月14日(火)に行われるようです。
第三局は1月15日のようですが、ここは二局目で決めてもらいましょう!
黒・一力遼棋聖 白・申旻埈九段(韓国)

逆転の場面です。
この直前の白の一手で、白の勝率85%→黒の勝率85%とその差は170%(笑)
しかも、このあたりのAIの解説を見ても全く分かりません。
トップ棋士の頭の中はどうなっているんでしょうね。
しかし、とにかく劣勢の中から掴み取った1勝は大きい!
この調子でもう一局お願いします〜!
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(祝)長男、くらしきの全国大会で優勝!(永代囲碁塾ブログ)
永代さん(東京)鄭さん(大阪)優勝 くらしき吉備真備杯こども棋聖戦 (山陽新聞)
一力遼棋聖との優勝記念対局
一力遼棋聖に長男が挑みました!
手合いは自由に決めていいらしく、二子でお願いすることにしました。
実際は三子でも勝つのは厳しいとは思いますが、三子で負けるよりは二子で負けたほうがですね…(笑)
一力棋聖が座っている椅子は岡山県産の木材を使用して製作されたものらしいです。
このあと一力棋聖にプレゼントされたようですね。
デザインが宙に浮いているようで面白いです。
二子で挑みましたが、打つたびに黒石が危なくなり、最後には盤面中の石が取られそうな勢いで破壊されていきました。
それでも何もせずに負けるよりは良いと思います。
長男の碁には元気がないことも多いので心配もあったのですが、これだけ打てれば十分です。
見ている人も楽しかったでしょう(笑)
こんなにボロボロにされてからのリベンジ!という今後のサクセスストーリーも作れます(笑)
一力棋聖、手厳しいご指導をありがとうございました!
リアルタイムでの大盤解説をしていただいた、佐田篤志プロと姉弟子の甲田明子四段もありがとうございました。
そして、立派な本大会を毎年開催してくれている倉敷市にも感謝を申し上げます。
次は次男や長女がお世話になりたいです!(え?)
左から甲田明子四段、長男、一力遼棋聖、佐田篤史七段
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阿含杯は今期で終了が決まっています。
日本は一力遼五冠の優勝で幕が閉じましたが、まだ最後の日中決戦が残っていました。
お相手は中国の王星昊九段で、世界戦でも優勝するなどの実力者です。
最後の一局ということもあり、一力五冠には頑張ってほしかったのですが、残念ながら負けてしまいました…。
この悔しさは、次のLG杯決勝で晴らしてもらいたいものです。
黒・王星昊九段 白・一力遼五冠
1図
立ち上がりは白の一力五冠が順調に打ち回して優勢でした。
この一図の局面では、一見して白の中央が危ないかなと思いそうなところですが、上辺の黒五子が取れているので問題ありません。
うっかりとダメヅマリや、攻め取り(攻め合いで多く手を入れさせられる)には注意が必要ではありますが。
2図
黒▲と仕掛けてきた局面です。
ここが最後の勝負どころで、ここを乗り切れば…というところでした。
特に気をつけたいポイント
・左辺黒四子の復活(白一子の要石を取られると復活)
・中央右の白17子の大石が危ない
3図
ここは白1、3と出てから白5で中央右の白は別で生きてしまうのが良かったようです。
これなら中央の黒にも切りが残っていて(白3の右上)、黒も簡単には白を取りにいくことはできません。
しかし、一力五冠はここの対応を誤り、一気に勝負を持っていかれてしまいました。
しかし、ずっと白のほうが優勢だったのに、王九段の一瞬でひっくり返す勝負勘というのは本当にすごいですね。
あの一力さんから逆転できる、世界レベルの人たちの頭はどうなっているんでしょうか…。
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七冠を目指す一力五冠ですが、十段戦の本戦トーナメント準々決勝で小池七段に敗れてしまいました。
これで七冠を目指すことは一年持ち越しとなりました。
さらには七冠を獲得するためにはまた一から七冠全てを取り直さないといけません…。
ここまで「あと二冠!」というところだったのですが、この一歩後退はなかなか厳しいですね。
一敗するだけで一年の延期。
七冠がいかに大変かが分かります。
井山さんはこれを二回も達成したんですよね…。
人間離れしており、まさしく魔王ですね…。
黒 一力遼五冠 白 小池芳弘七段
一力五冠が黒1から9まで右下方面を精一杯広げたところです。
「左辺の黒は死ぬわけないでしょ」と一力五冠は言っています。
しかし、実戦は白10と左辺の眼形を奪って、黒が二眼を作ることはできません。
このあとは中央に脱出していきましたが、左上黒の大石と絡まれて(※1)しまって、結局は黒は頓死。
そこで勝負が決まってしまいました。
ーーー(※1)
絡み攻め・・・相手の二つの弱い石を同時に攻めること。どちらかの石を取れたり、取れなくても莫大な利益を得ることが多い。
モタレ攻め・・・相手の生きている石にモタれながら、本命の弱い石を睨むこと。弱い石は逃してあげるが、周りで何らかの得を図ることを目指す攻め方。
ーーー
一力五冠をよく知る同門の平田智也八段は、以前に「一力はいつも自分の石が死ぬはずがないと思っている」と言っていました。
現に一力五冠の石がそのまま頓死するのは珍しい気もします。
何か読み違いがあったのでしょうか。
実際は黒3で左の黒から動かないといけなかったようで…。
黒3、5とまずは分断。
場合によっては左辺の白を取るぞ!と脅しながらサバくというのが良いようです。
これなら黒が打ちやすい流れでした。
やっぱり「弱い石から動く」という基本が大事ということですね。
洪道場の100段記念パーティーで少しお話をしました。
とてもしっかりと話せる好青年でしたね。
実は私、小池七段が院生のときに初対面をしておりまして…。
綱島で子ども囲碁教室をしているときに、春休みや夏休みには合宿形式の特訓コースをやっていました。
弟くんが来ていた関係でお兄ちゃんも一度だけ勉強に来てくれたのです。
当時はBクラスくらいだった記憶がありますが、もうその頃にはかなり強かった記憶があります。
こういう子がプロになって強くなっていくんだろうな〜という雰囲気をムンムンと漂わせていました。
結果的に一力五冠を破るまでに強くなったので、私の勘は間違っていなかった(笑)
十段挑戦まであと二勝!
今後が楽しみな棋士ですね。
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