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ゆったりと品のある空間で囲碁を楽しむ・・・

日別: 2019年4月19日

2019年4月19日

囲碁AIの新規プロジェクト

By igosalon

日本棋院からの突然の重大発表の告知

突如、日本棋院関係から囲碁AIに関する重大発表を明日行います。というリリースがあちらこちらでありました。

何となく、予告の内容を見ていると1ヶ月前にトリプルアイズという会社が日本発の囲碁AIを世界一にするという所信表明をしたものと似てるいるなと感じました。結果からいうとまさにそれだったのですが。

僕自身は1ヶ月前に発表したものを重大発表とすることにすごく違和感がありましたが、そこは置いておきましょう。大事なのは内容です。そこにはAI業界の有名どころにグロービスがバックアップ体制を築くというもの。そして、作った囲碁AIを若手棋士の育成プログラムに活用するものということでした。

囲碁AI開発の本当の意味

えっ?待って、待って。

もう囲碁AIはフリーソフトで人智を超えるところまでいってて、これ以上何を活用するの?それが重大発表?と思いました。すごく違和感だらけだったので、しばらくはネットで騒ぎまくっていたのですが、囲碁AI開発の当事者であるトリプルアイズのリリースを見てスッキリしました。

勿論、囲碁界の為に役立つことが書いてあるのですが、本当の意味というのもきちんと書いてくれていました。

囲碁を利用してAIを鍛えますと。

「囲碁の為のAI」ではなく「AIの為の囲碁」

これを見てみなさんはどう感じるでしょうか。なんだ囲碁を利用してるだけじゃんという声も聞こえてきそうです。でも、大きな観点で見ると、AIはこれから社会で大きな役に立つことは間違いありません。そんなAIを鍛える材料に囲碁を選んでくれたなんて、囲碁界からしてみたら誇らしいことではありませんか。

開発当事者たちの中からはあまり、このような本音は出ていなかったように思えます。トリプルアイズの本音は僕に突き刺さりました。

前にも同じ感覚が

あれ?でもこの感覚は前にも味わったことがあるぞと思い出しました。そうです。Googleが開発したアルファ碁です。

アルファ碁が現れた当時、予想もつかないような棋力を持った囲碁AIでした。僕は感動を覚えるとともに、なぜGoogleがこんなにお金をかけて開発したんだろう?囲碁ソフトを作って打ってもGoogleからしたら小銭にしかならないのに、とすごく考えこんでしまいました。

その答えはすぐに出てきました。

李世ドルが起死回生の一着を放って、逆転勝ち。その唯一の一勝を挙げたときにGoogle側はなんと喜んでいたのです。AIの弱点が見つかって喜んだのでしょう。

開発の問題は棋力ではないのです。深層学習の過程が解明されていない中で、囲碁を使い、AIを試して研究していたのです。AIの思考回路やスピードを。

そして、アルファ碁はしばらくしてから開発中止。次は緑内障診断などを中心にした医療系の研究へ進むとの発表がありました。ここで完全に確信しました。

当時、この事を囲碁と絡めて考えた人は何人いるでしょうか。アルファ碁の実力に熱狂していて本質的なことを考えようとしていない人が多いなと実感していました。

時は経ち…

そして長くない年月が経ち、これらのことが、日本でも行えるレベルになってきたということです。少し出遅れましたがここから日本の技術で巻き返しを図っていただきたい。応援します。

若手棋士の棋力向上は副産物ですよね。副産物とはいえ、すごく有難いことです。囲碁界から御礼を考える起業者も出てくるのではないでしょうか。WIN-WINです。

懸念事項

一つだけ危惧しているのは囲碁からAIにのめり込んでいる人は囲碁AIに惚れ込みすぎている点です。ビジネス的な観点からいうと、商品に自信は持って良いけれど過剰な惚れ込みは営業する際にマイナスになるというのは鉄則です。開発者の趣味ではなくて、商品がいかに世の中の役に立つかを最優先に考えないと、世に広まりません。どんなに良い商品でも世に広まらなければ何の意味もありませんから。開発者と営業が分かれることが多いのはそこに理由があるとも感じています。現状の囲碁界は開発側と営業側が同じように感じています。このシステムをどうにかしないと、いかに囲碁AIが素晴らしいものであっても普及しません。それが今後の課題でしょう。広報と営業のプロを雇うべきですね。

最後に

何だかんだと書いてしまいましたが、プロジェクト自体は非常に素晴らしいものです。うまくPRして世の中に貢献してもらいたいですね。世の中への貢献度が高ければ高いほど、囲碁の素晴らしさも伝わっていきます。囲碁AIの素晴らしさがまずは囲碁界以外に浸透していくことを願います。囲碁界への恩恵はそのあとです。関係者の皆さま、期待しております。頑張ってください。