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日時:2025年12月7日(日)
場所:東京都日野市指定史跡・名勝「 京王百草園 」
ゲスト:飛田早紀二段・宇佐美太郎インストラクター

『京王百草園』(けいおうもぐさえん)
明治18年(1885年)に「百草園」の名で開園。
その後昭和32年(1957年)に京王電鉄の所有となったことで「京王百草園」と改称し、現在に至る。
これまで様々な庭園で囲碁会が開催されていたが、今回は京王百草園内にある 「三櫟庵」にて約20名の参加者が集まり、囲碁会が開催された。
会場の「三櫟庵」
庭園囲碁会・代表幹事の香川智哉さんに話を伺った。
香川さん「庭園囲碁会は今回で14回目となります。スタート自体は5年ほど前でしたが、 コロナ禍で2年ほど中止しました。その後は3ヶ月に1回ペースで開催しており、 四季折々の庭園を楽しみながら囲碁会をしています。大会や通常のイベントなども素晴らしいものがありますが、たまにはこういう趣きのイベントがあってもいいのかなと思います。」
香川さんの話にあるように、季節の気配を感じながらの囲碁会には独特の風情がある。この日は紅葉がかろうじて残る時期で、“最後の秋色”が会場をやさしく包んでいた。
対局中は盤面に集中してしまうが、ふと顔を上げた瞬間に広がる庭園の景色は格別だ。熱のこもった対局のあと、自然の風景がそっと心を落ち着かせてくれる。

今回は川崎囲碁普及会との交流企画ということで、ゲストとして飛田早紀二段と宇佐美太郎インストラクターが招かれた。
飛田二段と宇佐美インストラクターは川崎囲碁普及会として、川崎市の登戸や武蔵小杉にて囲碁教室や囲碁イベントを開催している。
参加者どうしの対局の横では飛田プロ、宇佐美インストラクターによる指導碁も行われていた。
飛田二段は人気が高く、この日は四面打ちでの指導碁となった。
最近は畳の和室で四面を同時に打っている姿はほとんど見ない。
なかなか大変だろうと思う。
「 飛田早紀二段の指導碁風景 」
「 宇佐美太郎インストラクターの指導碁風景 」
昼食後には飛田二段の思い出の一局「 飛田早紀二段 VS 牛栄子二段(当時) 」を講座で紹介した。
聞き手は宇佐美太郎インストラクター。
級位者にも分かりやすい解説に加えて、いろんなエピソードを紹介してくれるので、50分ほどの時間があっという間に過ぎ去るような面白さと満足感を提供してくれた。終了後に自然と起きた温かい拍手が、その満足度を物語っていた。
飛田二段「関西棋院と中部総本部に所属しながらも、どちらも東京に在住してました。東京で打てないかと棋院に相談したけど、それはダメなんですときっぱりと断られました」などなど。普段では聞けないような話が盛りだくさんだった。
日本庭園に囲碁セットが置いてあるところは聞いたことがない。
今回も主催者が全ての道具を持ってきて準備している。
そして、その荷物の中にはおやつの時間に出されるためのセレクトおやつも入っている。今回のおやつは「菓子工房大江戸のきんつばと献上加賀棒茶」だった。

とにかく参加者に癒しの時間を提供したいという、主催者の思いが随所に感じられる。
そして、庭園囲碁会の最大の魅力の一つとも言えるのが、庭園散策の時間に香川さんのガイドが付くという点だ。今回も会場の下見を行い、紹介したいポイントを事前に整理していたという。
当日の気配りだけでなく、こうした事前準備にも一切の抜かりがない。
香川さんのサービス精神も素晴らしいが、何よりもこの熱量が庭園囲碁会の人気を支えているところなのだろうと実感した。参加者の中でリピーターが圧倒的に多いのも納得だ。
今後も庭園囲碁会は、長く愛され続けるイベントであり続けるだろうと感じさせる1日だった。
参加者の声を聞いてみると、ふだんはそれほど囲碁を打たなくても、庭園囲碁会には足を運んでいるという人が多かった。
囲碁をしっかりやろうとすると、どうしても少しストイックさが必要になると思う。
だからこそ、少し疲れたときに庭園囲碁会へ参加すると、間違いなく良いリフレッシュになる。
白黒つける勝負の厳しい囲碁とは対照的に、庭園は癒しの空間だ。
庭園×囲碁は同じような分野に見えて、意外と対照的であるものの、バランスの取れるコラボだということを実感できた。

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