七冠を目指す一力五冠ですが、十段戦の本戦トーナメント準々決勝で小池七段に敗れてしまいました。
これで七冠を目指すことは一年持ち越しとなりました。
さらには七冠を獲得するためにはまた一から七冠全てを取り直さないといけません…。
ここまで「あと二冠!」というところだったのですが、この一歩後退はなかなか厳しいですね。
一敗するだけで一年の延期。
七冠がいかに大変かが分かります。
井山さんはこれを二回も達成したんですよね…。
人間離れしており、まさしく魔王ですね…。
黒 一力遼五冠 白 小池芳弘七段
一力五冠が黒1から9まで右下方面を精一杯広げたところです。
「左辺の黒は死ぬわけないでしょ」と一力五冠は言っています。
しかし、実戦は白10と左辺の眼形を奪って、黒が二眼を作ることはできません。
このあとは中央に脱出していきましたが、左上黒の大石と絡まれて(※1)しまって、結局は黒は頓死。
そこで勝負が決まってしまいました。
ーーー(※1)
絡み攻め・・・相手の二つの弱い石を同時に攻めること。どちらかの石を取れたり、取れなくても莫大な利益を得ることが多い。
モタレ攻め・・・相手の生きている石にモタれながら、本命の弱い石を睨むこと。弱い石は逃してあげるが、周りで何らかの得を図ることを目指す攻め方。
ーーー
一力五冠をよく知る同門の平田智也八段は、以前に「一力はいつも自分の石が死ぬはずがないと思っている」と言っていました。
現に一力五冠の石がそのまま頓死するのは珍しい気もします。
何か読み違いがあったのでしょうか。
実際は黒3で左の黒から動かないといけなかったようで…。
黒3、5とまずは分断。
場合によっては左辺の白を取るぞ!と脅しながらサバくというのが良いようです。
これなら黒が打ちやすい流れでした。
やっぱり「弱い石から動く」という基本が大事ということですね。
洪道場の100段記念パーティーで少しお話をしました。
とてもしっかりと話せる好青年でしたね。
実は私、小池七段が院生のときに初対面をしておりまして…。
綱島で子ども囲碁教室をしているときに、春休みや夏休みには合宿形式の特訓コースをやっていました。
弟くんが来ていた関係でお兄ちゃんも一度だけ勉強に来てくれたのです。
当時はBクラスくらいだった記憶がありますが、もうその頃にはかなり強かった記憶があります。
こういう子がプロになって強くなっていくんだろうな〜という雰囲気をムンムンと漂わせていました。
結果的に一力五冠を破るまでに強くなったので、私の勘は間違っていなかった(笑)
十段挑戦まであと二勝!
今後が楽しみな棋士ですね。
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