名人リーグで芝野虎丸十段は初戦が手空きだったことから、今回の福岡航太朗七段との一局が開幕局となりました。
結果は芝野十段の黒番1目半勝ち。
微細な形勢が揺れ動く一局でした。
黒・芝野虎丸十段
白・福岡航太朗七段
1図
序盤は色々と戦いを経ながらも、形勢は互角の立ち上がりでした。
実戦、白が赤丸のところへ出てきました。
これはアマチュアの多くが何も考えずに黒1とオサえるところでしょう。
しかし、このあと黒は断点だらけなので、何だか味が悪そう…。
2図
実戦の黒は結局、黒1としっかりと守って白2とツキ破らせることを選びました。
黒3と白一子を抜いて、右側の黒は二眼生き。
左右の黒は安全に落ち着くことができましたが、このワカレは明らかに白が戦果を上げています。
ここで白が一歩リードしました。
でも実はAIは、1図のアマチュアの誰しもが考える黒1を推奨していました。
芝野十段は考えすぎたのかもしれません。
囲碁って難しいですね。
3図
黒が赤丸に打った局面です。
このときの評価値は白のほうが優勢でした。
これに対する応手は、白1がAIの第一候補のようです。
でも、ここで不思議なことが起きます。
白1が正しいのに、評価値がすごく落ちるんですね。
それは…。
黒2がAIの候補手にもない妙手のようで、黒の評価値がぐぐっと上がっていきます。
そしてここから…。
4図
白の応手に問題があったとはいえ、黒16まで一気に形勢が逆転して黒良しになってしまいました。
ここから先は細かいながらも、白に勝ちはないようです。
黒の赤丸(3図の黒2)というAIを超える一手を繰り出した芝野十段が、強引に逆転勝利を引き寄せました。
永代の個人的な意見としては、この一戦が最初にして一番重要な一局だった予感…。
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