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ゆったりと品のある空間で囲碁を楽しむ・・・
2022年10月19日

天元戦第二局の終局間際の攻防

By igosalon

問題図↑

右上の形はセキになっていて、お互いの陣地は0目でカウントされます。

これで終局すると黒の1目半勝ちで、実戦はこのまま終局となりました。

しかし、ここではまだまだ隠された攻防がありました。

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1図↑

黒1と打ったとしましょう。

これはセキなので、このままお互いに0目の陣地となります。(黒の1目半勝ち)

理由は次図にて。

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2図↑

白が続けて打つなら白6までとなります。(黒3や5はパスとして)

この時に黒7のカウンターが強烈です。

白6で▲二子を取るよりも、黒7で白四子を取られた損害のほうが大きいです。

これにより1図のセキでお互いに陣地0目が成立します。

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3図↑

では、白1を見てみましょう。

結果的に言うと白1は好手で1目得をすることができます。(これなら黒の半目勝ち)

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4図↑

2図と同じように、白7まで黒二子を取りにいってみましょう。

相変わらずの黒8がカウンターに見えますが‥。

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5図↑

白9で黒二子を取る。

黒10で白五子を取りました。

黒が得をしているかに見えますが‥。

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6図↑

白11のさらなるカウンターがあります。

「石の下」という手筋ですね。

これは隅の黒二子の取られと、石の下で取られた分を合計すると、黒が損をしています。

こんなことをすると黒は逆転負けを食らってしまいます。

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7図↑

これまでの経緯から、白1に対しては黒2のホウリ込みが必須になります。

続いて白がAと取って、白は黒一子のアゲハマ分を得することができるのです。

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仮に白が気付いたとして1目得をしても、黒の半目勝ちで黒の勝ちには変わりありません。

でも、もし半目勝負が動くような結果になっていたとしたら、歴史に残るダメづめの悲劇が起こるところでした。

囲碁はこういう物語ができるのが面白いですよね。

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