前編では、ベスト8での一局を紹介しました。
前回の記事はこちら↓↓
準決勝からは観戦OKということになりましたが、長男の碁をリアルタイムで見ていたらお腹が痛くなるので、そんなことをする気にはなりません。
お相手は埼玉県代表。
見た感じは早打ちタイプでした。
ポンポンと進んでいるようで、途中の経過報告を受けると「長男が何か変なことをやっている」とのこと。
さすがに気になって、意を決してこっそりと見に行ってきました。
すると……。
なぜこんなにボロボロな形になっているのかは分かりませんが、黒番の長男は盤面で10目ほど不利な様子。
盤面10目というのは、コミの6目半もあるので、実際は16目半くらい悪いということです。
さらには黒の弱い石も残っていて、実利も戦いも分が悪い状態。
どうしようもないので、すぐに部屋を出て、小田に「全然ダメ」と伝えて、夫婦でがっくり。
そして、見に行ったときに気付いたのですが、係の人がパソコンで棋譜を取っていました。もしや……。
幽玄の間のネット碁サイトを確認すると、やっぱり中継している!
早速、なぜあんな形になったのかを確認したところ……
おお、50手過ぎくらいで反撃が成功して、ほぼ白を潰している。
やるじゃないか!でも、なんで黒がこんなに悪くなっているの???
さらに数手進めると、その理由が判明。
おいおい、簡単なシチョウを間違ってるよ……。
いや〜、これは衝撃でした。
家に帰ってから13級の長女に見せたら「ここ残ってるよ〜。こうやって階段だよ」とすぐに気付きました。
もちろん次男だって初段くらいあるのですぐに気付きます。
このシチョウの見逃しには、夫婦揃って絶句です……。
正直なところ、ベスト4で敗退か……と、さすがに諦めました。
ちなみに帰ってからAIにかけると、黒の勝率97%が白の勝率99%に変わっていました。
その落差は196%!
どんな数字やねん!と突っ込みたくなるような変動率です。
相手の子も、自分が潰されそうなところから一転して大優勢になり、さぞびっくりしたことでしょう。
まさか全国大会の準決勝でこんなことが起きるとは。
その後の黒は大きなリードを守ろうと、手堅く打っていました。
さすがに手堅く打っていると、少しずつ差は縮まっていきます。
黒も精一杯に頑張っていました。
そこで白がケイマで少し隙を見せたところ、長男は最後の勝負手を繰り出しました。
ケイマにツケコシ!!
永代「でも、シチョウは良いけど、普通に真っ直ぐアタリされていってダメだ……。」
小田「あちゃー」
永代「なんでこんな簡単にダメな勝負手やるんだよ……」
小田「絶句……」
永代「待てよ??」
永代「もしや、起死回生のツケがあるか!?」
そう思って中継を確認したら、ビシッと音が聞こえてきそうなツケが繰り出されていました。
永代「これは分からなくなった!」
ジェットコースターに乗っているかのような碁を見ていて、もう夫婦揃って疲労困憊です。
そこで黒がかなりの戦果を上げて、形勢は不明に。
そして、最後には相手が焦ったのかミスが出て、白の大石が頓死。
大逆転勝利となりました。
見ているほうとしては、本当に心臓に悪い一局でした。
(実際は最後のミスがなければ、まだ白が優勢のようでした)
これも碁が分かるからこその苦労でもあります。
碁が打てない人だったら、ジェットコースターの体験をすることなく、勝敗だけをすんなりと聞くことができるからです。
やっぱり身内の碁を見に行ってはいけませんね(笑)
とはいえ、これで決勝進出。
電車が止まって遅刻をしたり、シチョウの見損じで大ポカしたりと苦労の連続でしたが、とうとう最終決戦の場まで登ってきました。
つづく
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One thought on “長男が全国大会で準優勝!(準決勝編)”