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稲葉さん 「永代ーーーーーー!」
永代 「すみませーーーん」(汗)
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これまでの話の意味を説明しましょう。
黒1が正しい「二立三析」です。
▲が三線と四線で中央に向かって立っているので「二立」
黒1が二立の場所から辺に三間でヒラいているので「三析」
実は「析」というのは昔の言葉で「ヒラキ」を意味するらしいのです。
さて、局面を戻しましょう。
▲が二立で黒1が三析なので「二立三析」。
見た目は合っていますが事実は異なります。
▲は四線と四線なので立っていません。並んでいます。
黒1は中央に向かっているのでトビです。
「三間トビ」となりますので、ヒラキではありません。
これを解釈すると、「二並三間」(?)となるのです・・・。
ということで、稲葉さんに「きちんと教えなさい!」と怒られるわけです。
それを見た瀬川さんは自分に対して平謝り・・・。
いえいえ、瀬川さんは全然悪くないんですよ・・・。
きちんと教えなかった師匠が悪いんです。
というエピソードでした(笑)
まぁ、ここまで普通に書くと稲葉さんがとても怖い人のように思えますが、それは文章上の問題です。
実は「永代―――!」 も 「きちんと教えなさい!」 もすっごく笑顔で言っています(笑)
稲葉さんを知っている人なら分かると思いますが(笑)
このあたりは観客も大受けだったかと思います。
「受けたからまぁ、いいか」とか「これは良いブログのネタになるな」とか考えていたのはここだけの秘密です。
昨日のブログで取り上げた「二立三析事件」。
真相をお話ししましょう。
7年ほど前になるでしょうか。
瀬川さんに囲碁指導をする機会がありました。
初めての対局は13路盤だったと思います。
その後は順調に19路盤へ。
その際に19路に向けて基本定石を伝授したのです。(といっても普通の定石)
それを披露したタイミングは、瀬川さんがダイヤモンド囲碁サロン(以下DIS)にて公開対局(ペア碁だったかな?)をしたときのことです。
大盤解説は稲葉禄子さんが担当されていました。
自分も、ちょうどタイミング良くこの公開対局を観戦していたのですが・・・。
この場面で黒番の瀬川さんの手番です。
瀬川さんが選んだところは・・・。
黒1です。
観客が「おおー!」と、中央志向の才能溢れんばかりの着手に驚いていたような気がします。
しかし、自分は何となく嫌な予感がしました。
その時の嫌な予感はなぜだか良く分かりませんでしたが、局後の感想を大盤解説でしているときに解明することになります。
稲葉さん「この黒1はどうして打ったんですか?」
稲葉さんがこの手に反応した気持ちは分かります。
中央志向は良いとしても、明らかに一歩進み過ぎです。
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瀬川さん「それはですね・・・・。」
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瀬川さん「永代さんに二立三析と教わりました」
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永代 (心の中で) ・・・・・・。
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稲葉さん「永代―――――――!」
つづく