一力棋聖が98手目を封じて1日目終了【第50期棋聖戦挑戦手合七番勝負 第3局】
白・一力 遼 棋聖
黒・芝野 虎丸 十段
棋聖戦第三局
黒の芝野虎丸十段がしっかりと白二子を取り切ったところです。
ここで白番の一力遼棋聖の封じ手となります。
形勢は、左下の白五子を取った黒が少し良さそうです。
封じ手予想「第三局」
白1しか考えつかないですね。
封じ手予想はこれにします。
前回に続き、二回連続ヒットよろしくお願いします!
芝野十段が勝って1勝1敗に【第50期棋聖戦挑戦手合七番勝負 第2局】

封じ手予想ですが、黒1で見事に大当たり!
まぁ、今回は二択くらいしかないので、けっこう当たるかなとは思っていました。
良かった、良かった。
黒・一力 遼 棋聖
白・芝野 虎丸 十段

いやー、すごいことになりましたね。
黒は中央の黒13子を取られたものの、猛烈に追い上げて半目勝負となりました…。
結局は白の半目勝ち。
芝野十段はぎりぎり逃げ切って、薄氷の勝利でしたね。
それでは終局図を見てみましょう。
棋譜のうえではここで終わりです。
でも、なんだか不思議ですよね。
まだ打つところが残っているように見えます。

実際に終局して整地するときには、白1で黒13子を取り上げることが必要です。
ほっておくと下辺白との攻め合いで、黒からホウリ込みが炸裂して一番下の白七子が取られてしまいます。
それは大逆転!(笑)
黒2については、すぐにアタリになるので必要ですね。
そして、白3がややこしいところです。
実戦はどちらからも打たずに終局してますよね。
これを説明します。

黒から2へ打つと、一見して黒地が1目増えたように思いますよね。
しかし、あとから全てのダメがつまると、黒は両アタリが待っているのです。
結局は黒が手入れをするので、トータルでは同じということです。
ここはお互いに打っても打たなくても同じ、ということで放置していた理由になります。

さて、ではなぜこれで棋譜を終わりにするようになったかと言いますと…。
個人的な見解ですが、昔の日本では囲碁は勝負というよりも文化の意味合いのほうが強かったからだと思っています。
両対局者が実力を見せ合って、お互いに美しい碁を打とうという精神ですね。
なので、せっかく綺麗に打った一局なのに、整地のために手入れやダメづめをして棋譜がゴチャゴチャになるのは許せないのでしょう。
これはもう完璧なる美学です。
実際は級位者にこの終局図を見せても「これで終わってるの?」という反応が返ってきそうです。
いや、有段者でも怪しいか…。
さらに問題なのが、ここで棋譜をつけるのを辞めたけど、ダメづめのときに思わぬアクシデントがあったりもします。
手が残っていることに気づかず、手入れをせずに終局しようとしたら手を付けられて逆転…。
まあ、碁会所ではよくある光景です。
こういうときは文化的な要素が強いところでは、終局前に手を付けるのはなし!ということで手が残っていても相手に教えてあげて、手入れを促すことになります。
「黙って相手の地中に手を付けにいかない」という文化ですね。
しかし、さすがにプロの世界ではこんなことは起こりません。
だからこそ、ここで棋譜が終わるのです…。
……。
いや、プロの世界でもありました…(笑)
この話をすると長くなるので割愛しますが、こういうふうにあちらを立てればこちらが立たず…というような状況が生まれています。
何を優先するかは時代によりけりかもしれませんが、このような文化的な美学があるということはお伝えしておこうかと思います。
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一力棋聖が111手目を封じて1日目が終了【第50期棋聖戦挑戦手合七番勝負 第2局】
ハワイでの開幕局ですが、対局している二人は浮かれることはないと思いますが、周りの皆さまはだいぶウキウキされていたように見受けられます…(笑)
そんな中で心機一転!
一力遼棋聖の先勝のあとの二局目!
芝野虎丸十段がどう反撃するかが注目です。
黒・一力 遼 棋聖
白・芝野 虎丸 十段
棋聖戦二局目・一日目終了時点
何度も伝えていることかと思いますが、平田八段の「一力はいつも自分の石が死ぬわけがないと思って打っている」という証言があります。
しかし、今回はさすがにどうでしょうか。
一日目終了時点で真ん中黒の12子には一眼もありません。
しかも、封鎖されていて脱出は難しそうな気も…。
ここで封じ手となりましたが、ここから一力棋聖の妙手が飛び出すのでしょうか…。
棋聖戦第二局・封じ手予想
うーん、白の包囲網を脱出するこは不可能なので、逆に白の包囲網を破壊するしかありません。
ということで黒1のツケコシを封じ手予想にしたいと思います。
中央の切りと二択だと思うのですが、ツケコシにしてみます。
この黒が脱出できれば、左上の白が死に残りです。
白も一歩間違えば全滅してしまう局面ですね。
いずれにしてもハラハラドキドキしすぎる展開となっています。
こわーい!!!
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許が十段挑戦権を獲得!【第64期大和ハウス杯十段戦 挑戦者決定戦】
十段戦挑戦者決定戦の終局図
許家元九段は第59期と60期で十段を連覇しています。
棋戦としても、とても相性が良いのでしょうね。
棋士の間でも棋戦によって相性というものがあるらしく、かなり気にしている人が多い印象です。(持ち時間の違いが大きいのかな?)
その他のタイトルは碁聖を一度獲得しています。
しかも、そのときは七大タイトルの初獲得だけでなく、当時の井山裕太七冠から奪ったということでとても印象的なタイトル獲得でしたよね。
かなりの実力者です。
対する、挑戦者決定戦まで駒を進めた富士田明彦八段は初の挑戦ならず。
惜しかったですが、最近は他棋戦でも上位に進出しているので、近々でタイトル挑戦するのではないでしょうか。
今回はお預けとなってしまいましたが、また次回の活躍に期待しましょう!
十段戦挑戦手合は「芝野虎丸十段VS許家元九段」となりました。
許九段の挑戦を、芝野虎丸十段がどのように受けて立つかが見ものですね。
実際に第59期では許家元九段が3−2で勝利。
第61期では芝野虎丸十段が3−1で勝利とがっぷり四つです。
本当に面白くなりそうです。
注目の五番勝負は3月3日に開幕予定です!
乞うご期待!!
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一力棋聖が先勝【第50期棋聖戦挑戦手合七番勝負 第1局】
棋聖戦がハワイで開幕!(封じ手予想あり) (永代囲碁塾ブログ)

1図、私の封じ手予想は左上白をしっかりと取り切る一手でした。
しかし、実際の封じ手は黒1のノビ!
うーん、当たらない。
碁盤の左半分に打つなら取り切る一手、碁盤の右半分としたら全く予想できないですね(笑)

2図、封じ手からまだそう手数が進んでいない129手目です。
黒1が勝率を90%から40%まで下げてしまいました。
白2と左上の白を助けられて以降は、黒の形勢がよくなることはなかったようです。
このあとの白はこのまま黒に隙を見せることなく、押し切りました。
この流れだけでいうと、この黒1が敗着ということになりそうです。
結果的には封じ手で左上の白を取る手が良かったということでした。
囲碁って難しい…。
ハワイでの開幕局は一力棋聖の勝利となりました。
注目の第二局は1月30日に広島県尾道市 「Ryokan尾道西山」で行われます。
第一局の一日目は一力棋聖が不調かなと思いましたが、二日目はさすがの内容でしたね。
二局目以降はどうなるか。
勢いそのままに一力棋聖が突っ走るのか、それとも芝野虎丸十段が反撃するのか。
まだまだ楽しみですね。
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プリンス ワイキキで開幕【第50期棋聖戦挑戦手合七番勝負 第1局】
一力棋聖は十段戦の本戦トーナメントで敗退してしまい、今年中の七冠達成は不可能になりました。
とはいえ、タイトル戦として一年の始まりを告げる棋聖戦から、七冠へ向けて再始動となります。
一力棋聖としては、ここを落とすわけにはいきません。
対する芝野十段は、ここ最近は一力棋聖にやられ気味なだけに、ここらで反撃の狼煙をあげたいところ。
その舞台がこの棋聖戦というのは、まさに絶好のチャンスでしょう。
そして何より、日本囲碁界の序列1位である「棋聖」の座を奪い取りたいという気持ちも、強く持っているはずです。
さあ、シリーズの行方はどうなるか。
今回の棋聖戦の開幕局は、ハワイでの開催となっています。
前日の検分まではアロハな雰囲気も伝わってきましたが、本日はさすがに空気も変わるはず。
ハワイの熱気に負けない一局になることは、間違いないでしょう。
黒・芝野 虎丸 十段
白・一力 遼 棋聖
1図
1図、一力棋聖が白40手目で勢いよくボウシで攻めた場面です。
気合いが入りすぎていたのか、これは少し急所を外していたようです。
すかさず、芝野十段は黒2と反撃。白の眼を奪いつつ、黒の眼形を増やします。
さらに黒は両ノゾキを狙っているので、白5の守りは必須。
白は何の得にもならない一手を打たされてしまって、後手に回ったことから形勢を損じてしまいました。
2図
2図、白40で正しくは白1が急所だったようです。
たしかに、白1のところが黒か白かを比べると景色が段違いですね。
お互いの眼形の急所だということが分かります。
白40は気合いの入った一手でしたが、結果的には気負いすぎな一手となったのかもしれません。
3図
3図、黒1、3(黒77)とハネツギをしました。
これに対して白が左下を手抜くと、地も眼形を奪われて危なくなってしまいそうですよね。
白4の受けは当然の一手に見えます。
しかし、黒はすかさず黒9までとして、黒の二眼生きを確保しながら、白の眼形を奪いました。
現時点では白には半眼(白があと一手打てば一眼) しかありません。
ここで、黒が一気に攻勢に立ちました。
4図
4図、白1を決めてから白3で黒一子を抜くのが良かったようです。
これで左下隅白の眼形を奪われても、下辺の黒三子を制しておけば問題ありません。
こちらのほうが地も大きく、精一杯に頑張れるところでした。
先ほどは気合いの入れすぎだったのに対し、今度は守りすぎました。
少しバランスが崩れているようで、一力さんの勝率がなかなか伸びません。
最近の一力さんにしては少し珍しいかなと思う展開です。
ハワイ対局ということで日本時間とはかなり時差がありました。
朝起きたらかなりの手数が進んでいて夢でも見ているのかなと思ったのですが、ハワイ対局ということを思い出して、自分が寝ぼけていることに気付きました(笑)
さて、封じ手の局面です。
黒の封じ手予想
黒1の出る手しか分かりません!
目数にすると25目くらいでしょうか。
うーん、大きい。
他の手は当てるのが難しそうなので、とりあえず黒1にしておきます!
皆さんの予想はどこでしょう?
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前回までの記事
第7戦で芝野十段は楊楷文九段(中国)に敗れました。
続く第8戦では楊楷文九段が安成浚九段(韓国)にも勝ち、連勝。
その結果、第9戦は井山碁聖との対局が決定しました。
井山碁聖としては芝野十段の敵討ちとなる一戦でしたが、見事に勝利!
普段はタイトル戦でしのぎを削るライバル同士ですが、今回は国を背負ったチームメイト同士。なんだか激アツな展開です。
1図
白が中央の思い切った捨て石作戦で、碁盤の右半分を白模様に。
形勢は少し白が良さそうです。
ただ、形勢が良くても井山碁聖は緩みません!
下辺で黒の突入に対して「許さん!」と言わんばかりの白1です。
とてつもなく気合いが入っていることが分かります。
2図
そして、戦いが激化して右下のコウ争いが始まりました。
黒1と取った場面。
白のコウダテはどこに…??
3図
白2のコウダテがありました。
黒からはコウダテがないこともあり、黒3のコウを解消は仕方がないところです。
白4には黒5のツギも仕方がないところ。
本当は黒5ではコウにハジきたいところですが、またまた黒にはコウダテがありません…。
白6まで進んで白の優勢がはっきりとしました。
白が手厚く打ったかいがありましたね!
このあとは井山さんがしっかりと勝ちきったので、流れとしては完勝でした!
5人ずつ出場していますが、どこの国も3敗ずつして残り2人ずつになりました。
日本は井山碁聖と一力五冠。
韓国には絶対的エースの申眞諝九段も控えています。
そして、運命の最終ラウンドは来年の2月に開催されます。
各国、総力戦で臨みます。
日本ファイト〜〜〜!!!
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日本勢の三番手の選手として出場している芝野十段ですが、今回の第七戦は同じく中国の三番手として出場している楊楷文九段に敗れてしまいました。
対局を簡単にご紹介します。
黒 芝野虎丸十段
白 楊楷文九段(中国)
1図
この碁は黒番が芝野十段です。
なんだか、いつもは芝野十段が白を持っているような打ち方ですね。
超一流棋士は何でも打てるのは当たり前とはいえ、個人的には芝野十段らしくないかなと感じました。
2図
ここで芝野十段は黒1と白の大ゲイマの薄みを狙いつつ、白模様を削減する作戦に出ました。
しかし、白は2と反撃。
黒3を待ってから白4と、引き続き厳しい追及を見せました。
これには黒も5と一旦は態勢を整えましたが、白6となっては白の注文どおりの展開でしょう。
ここで白に主導権を奪われました。
3図
黒としては白2の反撃のときに、黒3とさらに反撃するというのが良かったようです。
黒としては「左下の黒四子を小さく取ってくれるなら満足」ということもあり、選択肢に余裕があります。黒も戦えるのではないでしょうか。
どうもこのあたりの戦い始めに誤算があったようで、このあとはずるずると白に主導権を奪われてしまったように思えます。
最後のほうは一瞬だけ形勢を戻すチャンスがあったようですが、そちらもうまくいかずに負けが確定したという流れです。
最後のほうはあまり粘れずに、すっきりと勝たせてしまった印象です。
中国選手の隙のない強さには脱帽ですね。
芝野十段に勝った楊楷文九段はそのまま韓国選手に勝って2連勝。
そして、本日は井山裕太碁聖の登場です。
芝野十段の敵討ちをよろしくお願いいたします!
まぁ、言われなくても敵討ちをする気満々だとは思いますが(笑)
頑張って〜!!
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芝野、第6戦に勝利【第27回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦】 ←クリック
ようやく第六戦目にして、日本勢が初勝利しました!
軽く流れをご説明しましょう!

芝野十段の黒1と威勢よくカケたのは気合い良し。
白からの出切りが心配ですが「やるならやってみろ!」と強気です。
対して白は2と、まずはケイマの急所をついて様子を見ました。
これに黒3からの返し技が面白かったです。
黒3の一子を捨て石にしつつ、 黒9の一子も捨て石にしつつ…。
あっという間に黒15まで形を整えてしまいました。
形勢は互角ながらも、大胆な捨て石作戦には勢いを感じます。

形勢は終始白がリードで迎えた、右辺のコウ争い。
黒1、3のコウダテに対して、白4と下辺で小さく打ったのが黒へ逆転のきっかけを与えた一手のようです。
結果的には敗着に近いですね。

白は1から左の白三子を捨て気味に打つのが勝ちコースだったようです。
いや〜、いきなり捨て石するとは、気付かないですね〜。
このあとは続けて先手でシボって、左辺の二線へ飛び出していけば白が勝ちだったようです。
韓国のトッププロでさえこの判断はできませんでした。
囲碁って難しいですね!
韓国に勝ったので、次は中国との対局になります。
次の相手は楊楷文九段です。
農心杯はラウンドごとに出場可能性のある選手が現地に集まります。
一人の選手が勝ち続けると、仲間の選手は集合したけど出番なしということもありえます。
芝野十段が勝ち続けると井山碁聖の出番がありません(笑)
それは井山碁聖も嬉しいところでしょう。
第七戦の模様はまた明日にご紹介します。
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