(中村憲剛選手のプロフィールあり)
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よみタイ 中村 × 囲碁のトップ対談【 後編 】
メンタルについてとても興味深かった前編に続き、後編もメンタルについて深く掘り下げられています。
一力棋聖・・・朝食前の囲碁の勉強、朝食後のラジオ体操、就寝前のストレッチなど、日々の生活リズムを一定に保つことで、大舞台でも普段と同じメンタルで臨めるようにしている。
中村憲剛選手・・・若い頃にルーティンを作りすぎて、環境の変化で調子を崩した経験から、最低限のものに絞るようにしている。
一力さんのルーティンはいわゆる「平常心を保ち続ける」ことを意識していますね。
中村選手のほうも、ルーティンを作りすぎるとちょっとしたことで崩れてしまう。そのときに平常心を保てなくなるからほどほどにね、というメッセージのようにも感じます。
どちらもルーティンのキーワードは「平常心」かなと思います。
一力棋聖・・・日本だけではなく、中国や韓国など強豪と競い合うことで成長できる。
中村選手・・・強力なライバルがいることで、勝手に引き上げ合う関係性というものがある。
囲碁界には師匠のところへ自宅から通う通い弟子もいれば、住み込みで勉強する内弟子(うちでし)もいます。
当然、住み込みでライバルと常に一緒の環境にいるほうが、お互いに刺激されます。
囲碁界の木谷道場、漫画界のトキワ荘などがその一例で、同じ時期に天才たちが一気に開花した実例があります。
ただ、ライバルと同居は刺激が強すぎるので、メリットとデメリットが混在します。
相性もあるので、必ずしも内弟子のほうが勝るということでもないというのを追記しておきます。
最近では他人の子どもを預かるにはハードルが高い時代にもなってきたことも影響するのでしょうが、内弟子を取る師匠は少なくなってきました。
はっきりとは分かりませんが、一力さんは宋光復九段の研究会や洪道場には、通いで勉強していたものと思われます。
中村選手・・・現在の指導者目線で培った経験は、選手時代に生かせるものがあったと思う。地域貢献活動は自分のエネルギーになる。
一力棋聖・・・河北新報でコラムを書いている。囲碁以外の世界を知ることによって、結果的に囲碁に繋がってくる。いろんな方と交流できると視野が広がる。
これは特に囲碁界がそうですが、専門性の高い職業だと、他の世界を全く知ることのない生活になりがちです。
いろんな経験がトータルとして、自分の専門性を高めることに繋がるのは間違いないと思います。
囲碁普及をすると囲碁が弱くなるという意見が昔からありますが、これは極端すぎる意見だと思います。
「囲碁普及をする=囲碁の勉強時間がなくなる」という図式が成立するだと思うので、ほどほどにすれば問題ありません。
スケジュールをコントロールできる程度なら、中村選手が言っているように、エネルギーに変えられる部分があり、メリットのほうが大きいと考えます。
吉原由香里プロは旦那様が元フロンターレ川崎のGKでした。
そのご縁で中村選手と繋がったようですね。
とても興味深い、中身のある対談を見させていただき、ありがとうございました。
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よみタイ「中村憲剛 × 一力遼対談・前編」
このブログを見ている方なら、一力遼棋聖が囲碁界において、どれだけ活躍しているかの説明はいらないでしょう。
ということで中村憲剛さんの紹介だけしておきます。(ChatGPT調べ)
サッカー界のスーパースターということは知っていましたが、改めて調べてみると半端なく活躍していますね。
所属していた川崎フロンターレは武蔵小杉がホームです。
武蔵小杉で囲碁サロンをしていたこともあり、駅でよく広告を見かける身近な存在です(笑)
ちょんまげをかぶっていたり、バナナを持っていたりとサービス精神が旺盛な方だと感じていました。
『中村憲剛プロフィール』
・1980年生まれ
・東京小平市出身の元プロサッカー選手。
・プロキャリアの全て(2003年〜2020年)を川崎フロンターレで過ごす。中心選手として活躍し、546試合83得点の活躍。
・日本代表(2006年〜2013年)でも活躍して2010年のワールドカップにも出場。
・チームのタイトルも多数獲得、個人でも年間のベストイレブンは8回、2016年にはMVPを獲得。
① 全体を俯瞰して見る
中村憲剛・・・ピッチ全体を上から見ている感覚で状況を把握していた。
一力棋聖・・・局所だけでなくて、全体の流れを把握することが大事。
② 点より線で見る
目の前の結果である「点」に一喜一憂せずに、長期的な視点で成長や勝利を目指す「線」の思考が大事。
囲碁やサッカーなどの専門職では技術面ばかりが注目されがちですが、何の業界でもトップにいく人たちは精神面のコントロールをうまくしていると感じます。
今回の記事では、一力さんが少し前からメンタルトレーナーを取り入れたこともあり、精神面のことにはかなりフォーカスされてますね。
① 全体を俯瞰して見るには、常に冷静である必要がある
② メンタルが安定していないと、技術面でもうまく実力を発揮できない
③ 勝負中に相手との駆け引き(表情やクセを見て判断)
④ 競り勝つというよりは、競り合いから落ちていかない
⑤ 不調なとき、苦しいときに耐えるマインド
私が院生時代に心掛けていたものの一つに④があります。
囲碁で言うと「勝つ手よりも負けない手を選ぶ」ことです。
「勝つ手」(決め手)を発見できるのは、一局を通してほとんどありません。
しかし「負ける手」(ツブれる)というのは一局の中で無数に存在しているのです。
なので、必然的に派手な勝つ手を狙うよりも、負けない手を選び続けることが勝率アップに繋がります。
相手がいる勝負の世界では当たり前なのですが、嫌な話ですね(笑)
そして、私が院生時代にいちばん苦労したのは、⑤です。
勝負に負けた直後は切り替えをしようと心がけるのですが、表面上の部分は何とかなっているように見えても、心底の部分では切り替えができてないことが多いんですよね・・・。
こういうこともあり、私はよく連敗をするタイプで苦しんでいました。
メンタルは本当に難しいです。
メンタルがもう少し強ければ、と何度思ったことか…。
あの一力さんですらメンタルトレーナーをつけたという事実があり、さらには結果も出しました。
これで、メンタルのコントロールがいかに難しいことかよく分かったかと思います。
囲碁界ではメンタルトレーナーの重要性を、さほど認識していないのが現状です。
個人戦の多い競技なので、浸透しにくい業界であることも関係しているかもしれません。(コスト面の問題もある)
一力さんが結果を出したことですし、日本囲碁界全体でメンタルトレーナーの重要性を認識したほうが良いと思います。
ひとまずナショナルチームでメンタルトレーナーを所属させるところから始めると良さそうです。(コスパが良い)