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2025年6月11日

突然の訃報

By igosalon
 

  大須賀聖良プロの訃報

 

聖良ちゃんが亡くなったという突然のニュースに言葉を失いました。

私が知ったのは二日前のお昼頃で、仕事の直前に知り合いが教えてくれました。

半信半疑ではありながらも、冗談にするような内容ではないので、動揺しながらネットを確認しました。

そこでXでの日本棋院のポストに訃報のタイトルが・・・。

この瞬間に「やっぱりそうだったのか・・・」と、信じたくないけど、厳しい現実を認めざるを得ませんでした。

それでも、このポストの詳細を開こうとしてはためらい、それを何度も繰り返し、気持ちの整理がついていない状況が続きました。

聖良ちゃんとは何度か対局しており、まだ21歳なので今後、棋戦や囲碁普及で活躍してくれるだろうと、ちょっとした近所のおじさんのような感じで応援していました。

母親である大沢摩耶さんとは院生時代から一緒で、その後も一緒にたくさんのお仕事をしてきたということもあります。

いろんな思い出がよみがえり、とにかく表現する言葉が見当たりません・・・。

 

  パッションでのテレビ対局

 

私が、聖良ちゃんと最初に対局したのは囲碁将棋チャンネルの番組『ザ・パッション』という棋力認定番組です。

棋士が解説、司会が稲葉禄子さん、対局相手がインストラクター(最後は棋士)という布陣で全6回で棋力判定をして、半年間でどれだけ成長するかを視聴者に見てもらうという内容です。

そこで当時、院生になる前の小学生だった聖良ちゃんのデビュー局の相手を私が務めました。

申告棋力は三段で、手合い割は六子。

まぁ、置き石が多いときはインストラクターが苦しみながらも最後には逆転するというのがセオリーです。

しかし、聖良ちゃんはそんな器ではありませんでした。

100手くらいで碁盤の上半分くらいの白の大石を撲殺されてしまいました。

碁盤の下半分は数手しかないほどの大激戦。

内容は、途中で攻め合いの難しい局面に入り、六子だしすぐに間違えるだろうと楽観しながら打ち進めていると、その後の黒は正確に白を仕留めてきて唖然とした記憶があります。

対局時に私の体は前のめりになっており、対する聖良ちゃんは姿勢正しく、稲葉さんから「どっちがインストラクターか分からなかったね」と言われたほどです。

私はあまりの悔しさに「もう一度打たせてください」と、この番組で初めて再戦を志願しました。

スタッフもこの意思を汲んでくれて、結局はこのシリーズで3局も打たせてもらいました。

2局目も3局目も大激戦になって、聖良ちゃんの才能が爆発した話題のシリーズになったと思います。

さらに、その後プロになったあとに、摩耶さんが「あのパッションの対局をきっかけにプロを目指してみたいって言ってたよ」と教えてくれました。

これを聞いたときは本当に嬉しかったし、これからはどんなことがあっても応援していこうと思いました。

 

  炎の十番勝負

 

そして、摩耶さんからの言葉を聞いて、すぐに再戦したいと思いました。

永代塾囲碁サロンのイベントとして聖良ちゃんと摩耶さんの親子をお呼びして、公開対局を開催しました。

のちの「永代 VS 女流棋士」の十番勝負へと発展していったイベントとなりました。

今後もタイトルなどを獲得したら記念イベントなどをやって応援したいと思わせてくれる、素直で優しい女の子でした。

本当にご冥福をお祈りいたします。

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