前回のトビカケ定石の解説はこちら↓
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その後の方向感覚は大事
前回の解説でトビカケ定石はバッチリですよね!?
ということでその後の解説にいきたいと思います。
白18までのトビカケ定石は、黒に実利を与えた代わりに、素晴らしい白の厚みを築くことができました。
この後の展開はこの厚みを意識しながら打ち進めることになります。
ワリ打ちには厚みへ追い込む
実戦の黒19への打ち込みに対しては白20のほうからツメるのが正しい方向です。
上辺の厚みへ追いやるイメージを持ちます。
本図のように白1のほうからツメるのは、厚みから動いていることになってしまいます。
白1と厚みが重複してしまいますね。
黒6までの定石などが予想されますが、このワカレは白が甘いでしょう。
厚みのほうから動くと確実に陣地が取れて、安心感があります。
ただ、
安心感=堅すぎて効率が悪い
ということにもなりかねないのです。
何事もバランスが大事ということですね。
私はこの安心感を得たいがために、堅く打ちすぎることを「セコムの二重契約」と表現します(笑)
同じ警備会社に料金を二度払っても意味がありません。
せめてセコムとALSOKなど、違う警備
会社とそれぞれで契約しましょう(笑)
やっぱり厚みのほうから打っては駄目よ
実戦の白42もポイントです。
黒の二間ビラキに対して、左右から詰め寄ることで、中央へ向かわせるように誘導します。
黒は厚みのほうへ向かう。
白は黒の根拠を奪いながら、隅の実利をガッチリ。
これが目指すべき方向性です。
本図の白1から打つのは、黒に喜んで2と打たれます。
これは白の気分が良いように見えますが、実際はその反対です。
白が厚みのほうから動いているのに対し、黒は根拠を得ながら実利を稼ぐ&白の実利を奪っています。
黒にとってこんなに嬉しい展開はありません。
白のこの攻め方は、黒に辺で生かしてあげる代わりに中央を白がいただくよという交換条件なのです。
この交換条件で黒が得をしたということをしっかりと感じ取りましょう。
ふー、長くなったので、今回はここまで。
次回こそはトビカケ定石後の三々の解説にいきます(笑)
金曜教室(永代塾囲碁サロン)