倒産寸前の日本棋院ですが、この危機的な状況で何をするべきかの提言をします。
小学校や学童保育、中学校など教育の場で囲碁教室をすることです。
もしも学校の授業で囲碁を教えることができたら、理想ですね。
最近、東京などでは文化に触れる授業をしなければいけないようで、ところどころの学校で囲碁を題材にしてもらっています。
さらには幼稚園や保育園など未就学児向けもいいですよね。
現に、幼稚園や保育園で囲碁教室をやっている囲碁棋士はいらっしゃいます。(グッジョブです!)
毎週、幼稚園で囲碁教室を行っています。
— 万波奈穂 (@naonao_myu) September 16, 2025
私と打つときは黒白選べるしたくさん石取れるし勝てるしで子供達は大喜びです。
そろそろ「先生弱いね」と言われそうです🤣 pic.twitter.com/Q9eO1WOtRu
からたち幼稚園の囲碁への取り組みの記事です!
— 吉川 一 (@kikkawahajime) July 31, 2025
歴史、取り組み内容ともに唯一無二です。
とても興味深い内容になっていますのでぜひ御一読下さい✨
囲碁で子どもの成長を育む からたち幼稚園の取り組み 集大成のテキスト『碁學書』で普及を(内藤由起子)#Yahooニュースhttps://t.co/kOvvkHpfTR
教育の場のように、生徒が絶対に集まるようなところで囲碁をやるのが理想です。
ただ、そう理想どおりにいくことばかりでもありません。
そういうときは、公民館や既存の囲碁を楽しめる場所を使わせてもらいます。
碁会所でもいいでしょう、何かのイベントのブースを借りるのもいいでしょう。
とにかく囲碁を知らない人に囲碁を知ってもらう機会を増やさなければいけません。
子どもたちへの囲碁普及に力を入れると、必ず囲碁人口が増えます。
しかし、ここで一つ壁に当たります。
囲碁入門教室で、さらには子ども向けとなると、参加費が取りにくいのです。
「子ども囲碁入門教室 = 参加費無料」のイベントがほとんどです。
囲碁入門教室をするときに、運良くスポンサーから予算をいただける場合がありますが、本当に稀なことでしょう。
予算がつかないことのほうが圧倒的に多く、囲碁入門教室はボランティア活動になることがほとんどです。(私もどれだけボランティアをやっていることか…)
あれ?
でも、こんなときに適任なところがありますよね?
そうです、「 公益財団法人 日本棋院 」です。
日本棋院は、たくさんのスポンサーから囲碁普及の使命(お金)を預かっています。
参加費が取れないようなイベントに講師を派遣するのは、公益財団法人でもある日本棋院の役目ではないでしょうか。
でも「今の日本棋院には予算がない?」
それならば、棋士に支払っている固定給の分だけ動いてもらえばいいのです。(法律的にも問題ないでしょう)
今の棋士は何もしなくても固定給がもらえる状況です。
しかも、不平等なことに、若手棋士よりも年配棋士のほうが同じ段でも割合を高くもらっています。
(ある時期の入段者から固定給がガクンと下がっています。)
勝負の世界にいるのに、引退制度もなく、何もしないでもお給料がもらえるっておかしくないですか?
野球やサッカーの世界でも実力がなくなったら引退です。
お隣の似たような将棋界ですら、引退制度があります。
勝負の世界らしく、固定給を対局料に全振りするのなら分かります。
そうでなければ、固定給の分くらいは参加費無料の入門イベントなどに棋士派遣をしてください。
一昔前は一定の規模の子どもイベントには棋士派遣がありました。
いつからかその制度もなくなり、完全に有料化しています。
この囲碁人口減少という現状と逆走していく意識(方向性)を、早く改善したほうが良いと考えます。
従来の囲碁棋士の考え方は「無料で囲碁の仕事をするなんてとんでもない、囲碁棋士の価値が落ちる」というのが一般的でした。
(私も若いころはそれが格好良いと思ってました)
なので、ボランティアでの囲碁指導は、まぁ見かけませんでしたね。
今、そのツケが強烈な形で回ってきています。
これはそもそもが勘違いで、教育機関や公共施設でイベントをやるときは、どの業界でも基本的にはボランティアです。
当たり前のことなので、棋士の価値が落ちることはありません。
むしろ「プロの方がイベントを開催してくれるなんて有り難い」と囲碁棋士の評価が上がることでしょう。
だから、これまでの考え方はただの勘違いです。
そもそもが、正しいのは「 囲碁人口が減る = 囲碁棋士の価値が落ちる 」です。
何事も評価というのは自分でするものではありません。
周りの人が評価するものです。
囲碁棋士の価値を上げるためにも囲碁人口を増やすのです。
バブルのころのように、黙っていても囲碁人口が増え続けた時代ではありません。
手遅れになる前に、とにかく早く動きましょう。
「全てを無料で受け入れろ」と言っているわけではありません。
教育機関や公共機関に限る、30人以上が集まる子どもイベントなど条件をつければ良いと思います。
(交通費くらいは実費なので、出してくれるところも多いですし)
応援されるためにも夢のある行動をするべきです。
本当に、棋士採用試験の採用人数減などは、夢を潰すようで逆効果の行動です。
大した経費削減にもならないのに、こんなことをしていてはいけません。
正しい方向性で努力すれば、今よりも間違いなく囲碁人口が増えます。
そうすると、子ども囲碁大会など有料イベントへの参加者も増えます。
囲碁の道具や本なども売れます。
囲碁教室に通う子どもも増えてくるでしょう。
子ども囲碁界が盛り上がれば、新規スポンサーが現れるかもしれません。
子どもを応援したい大人は本当に多いのですから。
これらのことで、様々な収入アップが見込まれます。
前にも書きましたが、日本棋院はこの収入の見込みを計算することができていません。
今、目の前に見えてるものしか計算できていないのではないでしょうか。
(囲碁では厚みを築くのが好きな棋士だって多いはず)
とにかく、日本棋院は全国各地で囲碁普及をしているアマの方々と連携を取るべきです。
早くしないと大変なことになるでしょう。
ただ、ここまで言っても、日本棋院は変わらないかもしれません。
でも、若手棋士を中心にこの考えに賛同してくれる人がいるかもしれません。
共感してくれる方は、ぜひ囲碁普及活動を始めましょう。
最初はボランティア活動になると思いますが、このような厚みを築く活動は、あとから利いてきます。
何よりも評価が上がりますし、仕事に繋がることもある。
やる気はあるけど、やり方が分からないという棋士も多いと思います。
そういう方は、囲碁普及に動いている方と連携することをお勧めします。
色んな囲碁普及の形を提供してくれると思いますよ。
(アテがないなら、私に相談してくれてもかまいません)
とにかくすぐに動いて囲碁普及をしていかないと、日本棋院は持たないでしょう。
私は日本棋院の元院生で、とてもお世話になった身ということもあり、囲碁界を盛り上げるために色々と活動しているつもりです。
日本棋院が崩壊していく姿など見たくはありません。
この提言が届くことを願っております。
永代囲碁塾