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2025年9月17日

囲碁界の復興は子どもへの「応援」がカギ!

By igosalon
 

前回の記事

 

子どもへの囲碁普及は簡単!(7つの要素) ←

 

キーワードは「応援」

 

囲碁界の復興と言えば話が大きいですが、正しくは日本棋院の復興というところでしょうか。

日本棋院が復興しなくても、囲碁界が盛り上がるということはありえるわけなので。

ひと昔前までは「囲碁普及=日本棋院」という図式がありましたが、最近ではそうもいかなくなってきていると感じています。

いつ、何がどうなることやら・・・。

そんな危機感が満載な日本棋院ですが、倒産寸前の状況です。

日本棋院のキャッシュが尽きそうということで、スポンサー探しに躍起になっています。

でも、ちょっと待ってください。

スポンサーって何のために寄付をしてくれるのですか?

ただ、日本棋院に寄付してるわけではないですよ。

そうです、囲碁文化を応援してくれるのです。

そして、応援はどういうところに集まりやすいか。

それはどうしても子どもを中心に若い人たちです。

(もちろん、年配層を応援してくれる人はたくさんいますし、大事な存在です。)

日本棋院は囲碁文化の応援という原点を忘れてはいけません。

そうしないと「寄付先は日本棋院ではなくてもいいよね」ということになりかねないです。

 

大人が子どもを応援したくなる、5つの理由

 

子どもが囲碁という自分と同じ競技を楽しんでいるという共感

子どもたちがひたむきな姿で囲碁をやっていたら、純粋に頑張って」と言いたくなる。

年齢に関係なくどんどんと強くなる姿を見て、どこまで強くなるんだろうという期待を持つ(自分に近い関係にあったらなおさら)。

自分はここまでしかできなかったけど、その壁を壊していく成長を見ていきたい(昔の自分に重ね合わせる人もいるかも)。

そして、囲碁界にはちょうどプロ制度があります。

プロになれば職業として囲碁だけをやっていける環境があります。

プロを目指す子どもが身近にいたら、応援しないわけがない!

 

子どもたちは夢だらけ

 

子どもたちにはたくさんの夢があります。

大人たちはその夢を応援するのです。

年配の棋士に対しては、夢ではなくて、あの年齢であれだけの囲碁が打てるのはすごいな、という尊敬の対象だと思います。

これもすごいことではあるのですが、インパクトとしてはやはり、子どもたちの夢には勝てません。

 

新規採用人数の削減

 

ここで本題です。

このような心情があるのに、日本棋院は囲碁棋士採用試験の採用人数を減らすと言っているのです。

何度も繰り返し言いますが、年配棋士にも年代に相応しい魅力があります。

でも、若手の夢を応援するということには、何事も勝てないのです。

優先順位があることを日本棋院には分かってほしいのです。

(この改革を批判しているのは、年配棋士の優遇をなくすのが先だよねという話、そのあとの削減案なら仕方がないです。)

若手の夢を潰していく制度は、業界全体の衰退を招きますし、そもそも応援したい立場のスポンサーがどう思うか。

既存のスポンサーが、降りるとも言いかねない(現にありました)ですし、新規のスポンサーも採用人数を減らすというような夢のない業界にはね…となると思います。

肝心な収入アップの「見込み」が大幅に減ることでしょう。

この「見込み」という見えないところを、日本棋院は軽視している傾向があります。

囲碁には厚みを築くという作戦があるではないですか・・・。

 

経費削減のコスパ

 

日本棋院の貸借対照表を見ていると四年くらいでキャッシュが尽きるような感じです。

ここで毎年1人ずつ採用人数を減らす経費削減案を見てみましょう。

今年は現状維持。

2年目から1人減らして100万円。

3年目には2人分で200万円。

4年目には3人分で300万円。

ここでキャッシュ切れのタイムアップがきます。

合計で600万円の経費削減にしかなりません。

毎年1億以上の赤字が出ていて、黒字化できないと倒産するのに、それで600万円の経費削減と引き換えに、スポンサー収入の見込みを減らしていくというのは愚策と思います。

(他にも若手棋士が増えるのはメリットがあります)

コスパの悪い延命作業をしている場合ではありません。

囲碁で言うところの、カス石(少額の経費削減)を取りにいって、全体の形勢(スポンサー対応)を損じていくもののようです。

ここは若者の夢にかけて、一勝負しないといけないのは明らかです。

 

年配棋士の優遇例

 

若手に比べて高い固定給(実は入段時期が古いと同じ段でも高い)

固定給に伴う社会保険(固定給が安いと加入できない危機、入れても少額)

棋院負担の棋士年金や退職金(若手が年配棋士のようにもらえる世界線はこないでしょう)

倒産目前となっているので、これらはいつかはカットされて、若手と近しい条件になるかと思います。(でも、いつだろう?)

さらには、各棋戦でベスト64くらいにしか対局料が払われない、実力主義の世界が待っているでしょう。

どうせそうなるのなら、早く現実を受け入れて、正しい延命作業をするべきです。

 

今後の方向性はどうする?

 

囲碁は本当に魅力的なゲームです。

それはこれまでの歴史が明確に物語っています。

やるべきことをやっていたら、必ず囲碁を応援したいという人も増えてくると思います。

現在進めている、応援するのを辞めたくなるような制度改革は、一刻も早く白紙撤回することを望みます。

私はそれが本当に囲碁界全体のためになると信じています。

先に我慢(平等に戻すだけだが)して、日本棋院の経営が立て直せれば、また制度を戻せばいいではないですか。

辛い時期はみんなで耐えましょう。(JALの経営破綻後の再興を見習って)

4年我慢すれば、その後の長い期間で、またこれまでのように恩恵を受けられるようになるかもしれません。

現行では若手に負担を押し付けるだけの組織なので、必ず潰れます。

① 潰れてもいいので、4年間で貰えるだけ貰う。

② 4年我慢して囲碁界の将来に賭ける。

どちらが良いでしょうか。

日本棋院も含めて、皆様にはよく考えていただきたい問題です。

永代囲碁塾

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