囲碁漫画「伍と碁」は、プロ棋士を目指す少年・秋山恒星が、囲碁の世界でさまざまなライバルと出会いながら成長していく物語です。
題名のとおりでライバルは5人。
現在は二人ほどは追い抜いた感じでしょうか。
原作/蓮尾トウト
漫画/仲里はるな
囲碁監修/井山裕太九段・寺山怜六段
第7巻ではプロ試験の予選が終わり、いよいよ本戦が始まりましたね!
しかも、主人公・秋山恒星の初戦の相手は院生3位。
いや〜、いきなりの強敵ですね。
院生上位の実力は当然ながら非常に高く、プロ試験本戦に出場する外来棋士にとっても簡単に勝てる相手ではありません。
急成長を続けてきた恒星が、院生3位を相手にどのような碁を打つのか。
その中に出てきた定石も懐かしかったです。
その定石の全盛期は私の院生時代だったでしょう。
今の若い子は村正定石とか知らないのではないでしょうか(笑)
今回の院生1位、2位、3位は、2年前にCクラスで苦戦していたころから同じ境遇で頑張ってきた3人です。
その3人はCクラスのときに、一緒にAクラスへ昇格してプロ試験本戦へ出場することを決意しました。
そして2年後、本当に3人そろって院生上位に入り、その決意を実現します。
ここまでは、熱血漫画的な展開ですね。
あれ?でも、今回の試験でプロになれるのは2人だけです。
同じ目標を持って頑張ってきた3人が揃ったところで
「よし、じゃあ2枠を取り合おうか」
と、さらっと言ってるあたりにプロ試験の厳しさと3人の覚悟を感じます。
仲間でありながら、プロになるためには勝たなければいけないライバルでもある。
私の経験としては、近しい仲間ほど先に入段されたくありません。
そういう気持ちの院生は多かったと思います。
こちらが消化試合でも、仲の良かった同級生のプロ入り決定を止めた一局があります。
ちなみにその同級生は、最終戦で違う同級生にも負けてプレーオフへ。
その後プレーオフで外来受験者に勝って入段しました。
実力に圧倒的な差があったら少しは諦められるのですが、同じクラスで戦っていた同級生に自分の一局で入段を決められたら、もうやり切れない気持ちになりますね。
でも、プレーオフでは同級生を応援してました。
まぁ、理解されにくいかもしれませんが、勝負の世界ってこんなものなんだと思います。
多分、私の対局でプロ入りが懸かっていた一局は、そのときだけだったと思います。
見る分にはたくさん見てますが。
プロ試験というものは「魔物が棲んでいる」と表現されます。
色んな魔物がいるんですよ…。
この3人の中でも特に驚くのが、院生2位で第7巻の表紙にも登場している女の子(須藤奈々)です。
須藤は以前「万年Dクラス」と言われるほど、Dクラスで苦戦していたようです。
その須藤が、Cクラスから約2年でAクラスのトップ争いをするところまで強くなりました。
私も約7年ほど院生をしていましたが、Dクラスで長く苦戦していた院生が、その後にAクラスのトップまで駆け上がった例は記憶にありません。(院生最弱を争っていた私でも1年くらいで一回はCクラスに上がっていると思います)
その後もあまり見たことないような…。
私の院生時代以前のことは分かりませんが、おそらく前例はほとんどないのではないかと思います。
Dクラスで苦戦していた院生がAクラスへ上がるだけでも、かなりの成長です。
そこからさらにCクラスから2年で院生2位まで上がるとなると、現実には相当珍しいケースでしょう。
いや、万年Dクラスって表記してるけど、実は1年くらいなのか…?
時間軸が分からない(笑)
そして、恒星と共に勉強をしていた小金も須藤と同様に、Dクラスで苦戦していたようです。
どちらか1人だけでも珍しいと思いますが、同じ時期に苦戦していた2人が、そろってプロ試験本戦出場というのはすごいですね。
そしてこの二人には、ほのかに香ばしい感じがします。
須藤「小金…なんで院生やめちゃったの?私は一緒に小金と院生頑張りたかった」
ああああああ〜〜〜〜〜!!!
香ばしい青春の匂いが…(笑)
そして、主人公の恒星もかなりのスピードで強くなっています。
囲碁を始めてから短期間で一気に実力を伸ばしました。
特殊の環境(大谷翔平クラスの才能が5人いたらしい)で挫折したとはいえ、辞めるころにはすでに院生下位レベルはあったと推察されます。
さらには囲碁を再開してからの成長度もすごい。
すぐにプロ試験本戦で院生上位と戦うところまで来ました。
この急成長ぶりは、どこか「ヒカルの碁」を思い出しますね。
恒星が急成長するのは主人公なので分かるとして…。
須藤&小金の万年Dクラス仲間も本戦に出場できるまでに。
さらには、須藤の当時のCクラス仲間だった3人が、たった二年間でそろって院生1位から3位までを占めています。
院生の現実を少し知っている立場から見ると、みんな少し強くなりすぎでは……という気もしないではありません(笑)
さすがに、ちょっと漫画っぽいですね。
……と、院生経験者として少し皮肉っぽい感想を述べてしまいました。
ただ、現実ではなかなか起こらないような成長や展開があるからこそ、漫画として盛り上がる部分も理解できます。
院生時代に「ヒカルの碁」を見ていたときなんて「ヒカルはなんでこんなに早く強くなるんだよ」「佐為がいつも近くにいるとか反則だ」「塔矢アキラ強すぎだろ」とか言ってたんですけどね…。
でも…、いろんな演出があるからこそ「伍と碁」はめっちゃ面白いです!
あはは(笑)