13年ぶりに出場した個人戦はアマ本因坊の東京都予選でした。
その復帰戦でまさかの栗田佳樹くんが相手になりました。
15年以上前に1年間くらい指導してたことがあるのですが、今では立派になってアマ名人やアマ本因坊などを取るような、日本で一、二を争うような実力者になっています。(前々回のアマ本因坊タイトルホルダー)
そして、そんな相手にまさかの勝利!
このあたりはまた次回に説明するとします。
調べてみると、最後に出場していた個人戦は第7回アマ名人戦の全国大会でした。
最後の対局ですが、現在は棋士になっている鳥井裕太さんでした。
たしか、かなり優勢だったところを何か大きなミスをして後退。
その後も「緩みに緩んで半目負け」という最悪の碁を打ってしまって、引退の決定打になりました。
院生時代に勝負師としての心構えを叩き込まれたこともあり、アマ大会に出ているときもその精神は持ち続けていましたが、その精神が崩壊した瞬間でしたね。
アマなのにそんな精神でやっていて、長く持つわけがありません。
ただし、引退はこれだけが理由ではありません。
①・・・全国大会で優勝を目指すと、予選で三日間、全国大会で三日間など、ものすごく時間がかかる
②・・・大会の前日はなんとなくピリピリする
③・・・大会直後は疲労困憊で何もできず。
④・・・さらにひどいときには次の日の仕事でミス連発と影響が出る。
⑤・・・出るからには優勝したい。負けるのが大嫌い。
⑥・・・優勝以外は一回戦負けと同じという精神でいたので、ほぼ毎回が一回戦負けのようなもの。
全国大会優勝などそうそうできることではないので、チャレンジ数が必要になります。
当時は子どももおらずに、新婚旅行を先延ばしにするほどバリバリに働いていたこともあり、この状態で挑戦し続けるのは、さすがにしんどいという感じになってしまいました。
そして、翌年のアマ名人の全国大会のシード招待も断ったほどです。
それ以来は、ペア戦や団体戦などお楽しみ要素が強い大会にしか出なくなりました。
今になって考えてみると、こんな状態でよく7年くらいも個人戦に出場していたなと思うほどです。
私も40代の大台にも乗って、かなり丸くなりました。
⑤・・・対局に負けてもあまり気にならなくなりました。(勝負師としてはまずい)
⑥・・・合わせて、優勝以外は一回戦負けという精神もなくなりました。(やっぱり勝負師としていかがなものか)
①・・・日程の問題は長男と一緒に出ることで、なんとなくフォローできるし、優勝できるという自信もそうないので、日程的にもそんなにかからないだろうと(笑)
②・・・優勝を狙うような気合もないので、もう大丈夫です。
③・・・大会後は疲労困憊です。頭痛が痛いと言いたいレベルです。(体力がない)
④・・・次の日の仕事も心配です(笑)
要するに囲碁を楽しむ普通のおじさんになったということですね。
今回の出場は長男の引率がてらに、腕を試したくなったという程度のものです。
そういう自然体で無欲な感じが、復帰戦で強敵相手に勝利ができた要因かもしれません。
昔から精神面は弱かったのですが、まあ良い感じに落ち着いてきたというところでしょうか。
長男が院生に入ったら一緒にアマの大会には出られません。
その前にアマのメジャー棋戦に一緒に出場できて、さらに初日を枠抜けできたので良い記念になりました。
今後、院生に入って棋士になったら、もう一緒の大会には出られませんからね。(ぜひそうなってもらいたい)
もしかしたら今回がラストチャンスになるかもしれないということでした。(とにかくそうなってもらいたい)