この記事では「利かし」と「持ち込み」について講座を行いました。
今回はもっと分かりやすい図が実際のレッスンで出てきたので、紹介したいと思います。
テーマ図
黒番です。
上辺白の陣地が舞台です。
持ち込み
黒1、3と侵入したとします。
黒1と白2は、黒1が白2に対して下(辺)から動いています。
この黒1を取られてしまうと「持ち込み」です。
黒3も同様となります。
損得なし
続いて黒5から白14まで、黒は動いて取られてしまいました。
しかし、黒5から黒13までの動きに関しては持ち込みではありません。
黒も白も、白の陣地内で動いています。
白の陣地内であれば、お互いに損得なしとなります。
結果的に言うと、黒1と3は持ち込みなので、黒は「二手分の持ち込み」ということになります。
この「何手分の持ち込みか」というのは損失の大事な判断基準になりますので、しっかりと把握したいところです。
利かし
黒1と白2の交換は黒1が上(中央)からなので「利かし」です。
打ち込みが成功しないと分かった今では、黒1と白2の交換を目指すべきところです。
できれば、続いて黒Aも利かしたいところですが、黒Aに対して白は受けてくれないでしょう。
上辺が白地という仮定でまとめます。
上からの交換は「利かし」。
下から打って取られたら「持ち込み」。
これに尽きます。
下から打って生きることができたら大戦果ですが、そううまくいかないことも多いです。
そういうときは、さっと上から利かしてしまいましょう。
ただ、打ち込みが残っている場合に、上からさっと利かしてしまうと「味消し」となって損します。
このことから「相手の陣地が確定地かどうか」も大事な判断基準になります。
確定地かどうかの判断基準も、またのちほど説明したいと思います。