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日: 2025年4月23日

  囲碁界はどうヤバくなったか

 

囲碁界をヤバいと思っていない囲碁界(再掲)

遅くなりましたが、5年ほど前の上記の記事を踏まえて検証していきたいと思います。

  最近の囲碁人口推移

 

まぁ、ここは言わずもがな‥‥。

囲碁人口は永代の体感も含めて、右肩下がりで減少し続けてるのは間違いないです。

ちなみにレジャー白書によると‥‥。

2021年 180万人
2022年 150万人
2023年 130万人
2024年 120万人

(永代調べ)

こちらは大まかな数字となります。

ちなみにレジャー白書は15歳未満及び80歳以上の男女は調査の対象とはなっていません。

囲碁に関しては15歳以下と80歳以上はドンピシャの世代です。

そこを抜いているということなので、実態は調査の倍くらいはいる気がします。(永代の体感)

とはいえ、人数の問題ではなくて、減少率で見ていくと分かりやすいですね。

まぁ、減り続けています。

  最近の日本棋院

 

囲碁界の本丸である日本棋院はどうか。

囲碁人口の減少に比例して、経営が悪化していくのは当たり前のことです。

決算を見ていると寄附金やスポンサー(運営費)収入、会員など軒並み減少しております。

ここ数年の決算収支(特にコロナ後)では1億円前後の赤字が続いている印象があります。

ただ、海外の資産を売却した利益で相殺している年度もあり、キャッシュの減少を避けたときもあります。

表向きは平静を保っているように見えますが、実態は資産が毎年1億円ずつ減っているわけですから、かなりまずいです。(最近は1億の赤字額を楽に超えていきそう‥‥)

貸借対照表を見ているかぎりは、あと数年でキャッシュも底をつき、借金をするか、さらに持っている資産を売却するよりなくなります。

ジリ貧ですね‥‥。

早急な改革が待たれます。

とはいえ、早急に収入がアップする策は見当たりませんので、経費削減という方向性に走るのでしょう。

棋士採用試験の人数減という変更もその一環です。

ここ数年ではタイトル戦の賞金や対局料もカット、カットの嵐です。(良くて現状維持)

それでも赤字額が減りません。

うーん、打つ手がありません。

最終手段として禁断の打ち手はありますが‥‥。

棋士の人数をカット
棋士の給与をカット
棋士の退職金、年金をカット
対局料の一部無償化(ベスト64以上のみ)

全員で貧しくなっていくのか、それとも一部の人が切られていくのか。

最近では、まだ対局できそうなのに引退をする棋士も増えてきていますし、業を煮やして自分から辞めていく若手棋士も多いです。

さらに今後はどうなっていくんでしょうか。

個人的には武宮陽光理事長関達也常務理事の手腕に期待しております。

小中学生団体戦全国大会の復活はグッジョブでした)

常務理事組の中では年齢が低いほうになりますからね。

年齢層が高い棋士が多いので、意見は通りにくいのでしょうが、若手の意見を汲めるような策をお願いしたいところです。

何度も言ってますが「若者がいない業界に未来はありません」

  ここ最近の棋士

 

ここ5年で対局料は大きく下がっています。

もう毎年のことですが、あの棋戦がヤバい、また対局料が下がったなどなど‥‥。

週刊碁や囲碁書籍などの出版停止

囲碁教室、囲碁サロン、イベントの減少。

どんどんと収入は減ってきています。

もちろん危機感を持って頑張っている棋士もいますが、大半は囲碁人口を増やそうというよりは生活をするうえで必要な仕事をしているという感じに見えます。(ボランティアでも普及している棋士はいます)

本来は日本棋院から出ている固定給分くらいは純粋な囲碁普及活動をしなければいけないと思います。

しかし、そんな余裕がないのか、やり方が分からないのか、やる気がないのかは分かりませんが、活動は少ししか見かけません。

もうここまでくると、棋士だけの力で状況を好転させることは難しいところまできてしまいました。

あとは誰がどのくらいの割合で改革の痛みを受けるのかということに‥‥。

ただ、5年前の記事でも書きましたが、収入が低くなった当時でも囲碁棋士を続けている人がほとんどです。

さらに当時よりも低くなった収入(対局だけで年間100万はかなり厳しい)でも囲碁棋士を続けている人がほとんどです。

その理由は記事のとおりですが、囲碁好きにとって囲碁棋士は幸せな職業で天職です。

人生の満足度は高いのですが。さすがにそろそろ限度が来ていると思います。

あとはそれぞれの棋士がどうするか判断することでしょう。

  囲碁界の今後は、死ぬ気でガムシャラに

 

10年ほど前の話ですが、低い額で仕事を受けると、棋士のブランド価値が下がるという声をよく耳にしました。(今でも言ってる人がいます)

そうこう言ってるうちに、結果的には年々、棋士のブランド価値は大きく下がっていきました。

そして、現在の日本棋院の体制を続けるのは不可能というのが現状です。

たしかに囲碁や囲碁棋士の本質的な価値はとても素晴らしいものですし、昔も現在も何も変わりません。

私も心からそう思っています。

ただ、それは囲碁に理解がある人限定の話であって、そもそもの囲碁に理解がある人が減っているということが問題です。

とにかく囲碁界の復興のためには、日本棋院と棋士が一丸となって幼稚園、保育園、小学校や学童、中学校、高校、大学など教育機関で入門教室などの囲碁普及をするよりありません。

棋士派遣をする予算がないということなら、ボランティアでやるよりありません。

それこそ固定給の高い棋士から順にですね。

「棋士の価値が〜」と言ってる場合ではありません。

日本棋院と囲碁棋士の存続の危機なのですから。

  永代囲碁塾の活動として

 

ずけずけと好き放題に意見をしてしまいましたが、私もできるかぎりのことはしています。

→東京子供囲碁普及会

近くの公民館で囲碁教室をしています。

さらには小学校で囲碁教室のチャンスがあったら、積極的に受けますし、囲碁に理解がある先生がいたら、囲碁教室をさせてくださいとお願いしています。

もちろんボランティアです。

そのかいあって、いくつかの小学校で教室をやっていますし、今後も新たにできそうなところがあります。

仕事としての教室は棋士同様に減り続けていますが、これを打開するには入門教室などで種まきをするしかありません。

ぜひ、ご覧いただいている皆様も一緒に応援やご支援をよろしくお願いいたします。

 

永代囲碁塾
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