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月: 2025年4月

  【中村憲剛 × 一力遼 】の対談

 

記事はこちら↓
よみタイ「中村憲剛 × 一力遼対談・前編」

このブログを見ている方なら、一力遼棋聖が囲碁界において、どれだけ活躍しているかの説明はいらないでしょう。

ということで中村憲剛さんの紹介だけしておきます。(ChatGPT調べ)

サッカー界のスーパースターということは知っていましたが、改めて調べてみると半端なく活躍していますね。

所属していた川崎フロンターレは武蔵小杉がホームです。

武蔵小杉で囲碁サロンをしていたこともあり、駅でよく広告を見かける身近な存在です(笑)

ちょんまげをかぶっていたり、バナナを持っていたりとサービス精神が旺盛な方だと感じていました。

『中村憲剛プロフィール』

・1980年生まれ

・東京小平市出身の元プロサッカー選手

・プロキャリアの全て(2003年〜2020年)を川崎フロンターレで過ごす。中心選手として活躍し、546試合83得点の活躍。

・日本代表(2006年〜2013年)でも活躍して2010年のワールドカップにも出場

・チームのタイトルも多数獲得、個人でも年間のベストイレブンは8回2016年にはMVPを獲得。

  王者の共通している思考法

 

① 全体を俯瞰して見る

中村憲剛・・・ピッチ全体を上から見ている感覚で状況を把握していた。

一力棋聖・・・局所だけでなくて、全体の流れを把握することが大事。

② 点より線で見る

目の前の結果である「点」に一喜一憂せずに、長期的な視点で成長や勝利を目指す「線」の思考が大事。

  精神面の重要さ

 

囲碁やサッカーなどの専門職では技術面ばかりが注目されがちですが、何の業界でもトップにいく人たちは精神面のコントロールをうまくしていると感じます。

今回の記事では、一力さんが少し前からメンタルトレーナーを取り入れたこともあり、精神面のことにはかなりフォーカスされてますね。

① 全体を俯瞰して見るには、常に冷静である必要がある

② メンタルが安定していないと、技術面でもうまく実力を発揮できない

③ 勝負中に相手との駆け引き(表情やクセを見て判断)

④ 競り勝つというよりは、競り合いから落ちていかない

⑤ 不調なとき、苦しいときに耐えるマインド

  院生時代の体験談

 

私が院生時代に心掛けていたものの一つに④があります。

囲碁で言うと「勝つ手よりも負けない手を選ぶ」ことです。

「勝つ手」(決め手)を発見できるのは、一局を通してほとんどありません。

しかし「負ける手」(ツブれる)というのは一局の中で無数に存在しているのです。

なので、必然的に派手な勝つ手を狙うよりも、負けない手を選び続けることが勝率アップに繋がります。

相手がいる勝負の世界では当たり前なのですが、嫌な話ですね(笑)

そして、私が院生時代にいちばん苦労したのは、⑤です。

勝負に負けた直後は切り替えをしようと心がけるのですが、表面上の部分は何とかなっているように見えても、心底の部分では切り替えができてないことが多いんですよね・・・。

こういうこともあり、私はよく連敗をするタイプで苦しんでいました。

メンタルは本当に難しいです。

メンタルがもう少し強ければ、と何度思ったことか…。

  メンタルトレーナーの重要性

 

あの一力さんですらメンタルトレーナーをつけたという事実があり、さらには結果も出しました。

これで、メンタルのコントロールがいかに難しいことかよく分かったかと思います。

囲碁界ではメンタルトレーナーの重要性を、さほど認識していないのが現状です。

個人戦の多い競技なので、浸透しにくい業界であることも関係しているかもしれません。(コスト面の問題もある)

一力さんが結果を出したことですし、日本囲碁界全体でメンタルトレーナーの重要性を認識したほうが良いと思います。

ひとまずナショナルチームでメンタルトレーナーを所属させるところから始めると良さそうです。(コスパが良い)

  次回予告・対談の後編

 

よみタイ「中村憲剛 × 一力遼対談・後編」

永代囲碁塾
永代囲碁塾
2025年4月29日

永代家創作詰碁1の解答

By igosalon

  創作詰碁1(問題・黒番)

 

問題図

問題図

前回の記事はこちら

永代家創作詰碁始めます

  解答

 

初手は予想しやすいですが、白の抵抗をしっかりと読んでいきましょうね。

「できた!」と思っても落とし穴があったり、他にも良い答えがあったり…。

ましてや、それが実戦だったらショックは大きいですよね。

後悔のないように、丁寧に読む癖をつけましょう。

初手からの変化

正解図1・アタリにツガずに返し技

黒1のハネが正解です。

白の抵抗ですが、まずは白2の「切りながらアタリ」を読んでいきましょう。

「切りながらアタリ」は接近戦において、大きな効果を持ちます。

黒は、白2の切りでアタリにされましたが、守ってはいけません。

黒3とアテ返して、眼形を作るのが大事な返し技です。

黒の返し技

正解図1の続き・捨て石が大成功!

白4の取りは絶対で、黒5のアタリが利きになります。

これで黒は次に「抜きと眼形確保(1の右)を見合い」にすることができて、二眼生きとなりました。

黒5のアタリが利くことを読めているかどうかが、今回のポイントです。

黒三子の抜き跡なので、分かりづらいですよね。

丁寧に読んでいきましょう。

しかし、これで「できたー!」と喜んで読みをやめてはいけません。

白の他の抵抗も確認していきます。

  別の変化

 

別の変化図

正解図2・セキ生きの変化

黒1に白2と、別の抵抗をしてみます。

白2の場所が正解図1では急所でしたからね。

しかし、これには黒3ともう一つの急所に打ちます。

切りながらアタリを防ぐための黒3ですよね。

白4には黒5でセキ生きになったことを確認してください。

黒は中手になりそうだったので、不安もあるかと思いますが、しっかりと確認していきましょう。

以上の二通りは読んでおきたいですね。

  読みは「三手を三通り」

 

長男には常々「いつも三手を三通り読みなさい」と指導してます。

ただ、ぱっと読んでうまくいってしまったら、それで満足してしまいますよね。

しかし、うまくいっているときこそ要注意。

そういうときには「うまくいかなかった側は、打ち方を変えて読む」

これが大事で「詰碁の本質」です。

これをやり出すとエンドレス(うまくいかない側が交互に変わる)になってしまうのですが、読み続けることによって、読みの精度が上がっています。

ご自分のレベルに合わせて少しずつステップアップしていきましょう。

  詰碁掲示板を作りたい

 

詰碁は一人でやるとなかなか辛いものがあるので、このサイトの中にみんなで詰碁が解ける掲示板を作りたいなぁと考えています。

みんなでやれば、辛い詰碁も楽しくできるのではないでしょうか。

これから頑張って作ります(笑)

2025年4月28日

永代家創作詰碁を始めます

By igosalon
 

  きっかけは読みの問題

 

長男は一直線の読みはなかなかですが、あまりにも雑すぎるというのは昔からの課題です。

雑すぎるというよりも、そもそも読んでいないことが多いです……。

そんな長男に読みの練習をメインに「そろそろ自分で詰碁を作ったらどうか?」と提案をしました。

普通の詰碁とは違って、答えが本当にあるかどうか分からないので、全ての読みを徹底的に確認しないといけません。

さらには「答えがあった!」と思っても今度は2通りの解答がないかというのも確認しなければいけません。

答えがないのは論外ですが、答えが2つあっても失題(問題になっていない)です。

とにかく読む、読む、読むの連続です。

そして、実際にやらせてみたところ、今のところは楽しそうにやっています。

楽しいならこれ以上良いことはないということで、しばらく様子を見ていこうかと思います。

 

  長男の創作詰碁

 
長男の創作詰碁

「黒番」(5分で初段)

初手の黒は簡単ですが、白の2手目は2通りは読んでもらいたいですね。

解答はまたのちほど。

すでに他にも何問かできています。

少しずつ紹介していきますね。

 

  お父ちゃんも創作詰碁やってました

 

院生時代の話になりますが、私もかなり創作詰碁をやっていました。

創作詰碁を作るには色々とコツがあります。

簡単に教えられるのは配石のずらし方ですかね。

そのあたりは年の功ということで、長男が作ったもので惜しそうな問題は、お父ちゃんが改良を加えて問題完成させたりしました。

そんなこんなで最近は長男が創作詰碁をしていると、一緒になってやってしまい、時間が溶ける、溶ける……。

お父ちゃんが仕事をほったらかしにして(?)作った詰碁もそのうち紹介します(笑)

そして「永代家創作詰碁の出版」を目指します!(ただの勉強では終わらせない商売魂)

2025年4月27日

東京子ども囲碁普及会(4/26)

By igosalon
 

  今回の参加者は9人

 

小学校での公開授業と重なった生徒もいたので、少し残念。

先週と来週がお休みのため、今回来れなかった子は少し久しぶりになるけど、また次回に!

最近は19路デビューしたばかりで練習している子が多いです。

ということで、永代が19路の打ち方を直接レクチャーしているのですが、インストラクターが生徒個人に合わせて指導できるところはそうそうないと思います。

自分のところながら良い環境だと思いますよ!(笑)

19路は「ながーい」という声も聞こえていましたが、すぐに慣れることでしょう。

打ち方を見ていると、棋力もすぐに上がっていくものと思われます。

そして、少年少女囲碁大会の団体戦も控えています。

楽しみに日程の発表を待っているのですが、まだかな、まだかな?

今回は長男、次男の小学校のメンバーが全員そろったので、良い練習会になったのではないかなと思います。

他の学校も参加できると思いますので、そちらも楽しみです。

公式サイトはこちら↓

東京子ども囲碁普及会

 

  囲碁教室での講義

 

今回は武蔵小杉で行った教室の講義を紹介します。

内容は級位者向けとなります。

前回の有段者向けの記事はこちら↓

強くなるレッスン(有段者編)

 

  広いところへ打つ(判断方法)

 
テーマ図(白番)

テーマ図(白番)

基本的な考え方を学ぶだけなので、テーマ図の手数でも十分です。

白番でA〜Dを候補にしました。

すべて星にしたのは、同じような場所だけど「周りの状況によって意味が変わってくる」ことを説明したいからです。

これを見て、どこに打ちたいと思いますか?

今回は正解がここ!というのではなくて、考え方を学んでもらいます。

 

  優先順位の大前提

 

「大場」

陣地や勢力が広く取れそうな場所。

序盤(布石)では、大場の数は多く、そこまで緊急性は高くない。

「急場」

戦いが起きており、緊急性の高い場所。

布石終わり〜中盤の戦い(接近戦)に出てくることが多く、お互いに最優先する。

「大場より急場」

この格言が囲碁においていちばん大事な考え方です。

下記のように戦いに関することが多いです。

・弱い石を攻める・守る

・強い石の近くに打たない、相手を強い石の近くへ追い込む

今回のテーマでは急場がありませんので、大場の方向性をどのように考えるかだけを学びます。

 

  広さは間を数える

 
1図

Aの左辺・・・白2と白4の間を数えると11間の幅。

Bの下辺・・・白2と黒3の間を数えると11間の幅。

Cの右辺・・・黒3と黒1の間を数えると11間の幅。

Dの上辺・・・白4と黒5の間を数えると10間の幅。

「広さ比べ」

上辺の幅がいちばん狭いので「Dの上辺だけにマイナス要素」があることになります。

 

  陣地は四角形の面積

 
2図

幅が同じときは「高さ」を見ましょう。

高さをどのように考えるかを説明します。

Aの左辺・・・左から見て白2が四線、白4が四線なので、平均して四線。

Bの下辺・・・下から見て白2が四線、黒3が四線なので、平均して四線。

Cの右辺・・・右から見て黒3が四線、黒5が五線なので、平均して四・五線。

Dの上辺・・・上から見て黒5が三線、白4が四線なので、平均して三・五線。

これで「Cの右辺がいちばん高い」ことが分かります。

陣地は四角形の面積と同じなので「幅 × 高さ」で考えましょう。

そうすると「Cの右辺がいちばん大きい陣地になる可能性が高い」のです。(あくまで期待値)

 

  まとめ

 

これらの判断材料は、あくまで一つの材料にすぎません。

実戦では、さまざまな基本的な考え方をもとに材料を洗い出し、総合的に判断することになります。

今回のケースについても、必ず白Cに打つという断定ではなくて「方向性として右辺が中心」になりそうだということで理解していただければと思います。

大事なのは知識ではなくて「知識をどう使うかという応用力ですからね。

 

  「次回予告」基本的な考え方が大事

 

次回は盤上の技術面ではなくて、考え方を説明します。

勝率を上げるためには、様々な基本的な考え方をマスターしていくのが、いちばんの近道です。

永代囲碁塾
永代囲碁塾

  さまざまな指導方法

 

永代囲碁塾では棋力アップのためにさまざまなレッスン方法があります。

・囲碁教室(対面)

・個人レッスン・グループレッスン(対面)

・オンライン囲碁レッスン

今回は「出張個人レッスン」での指導内容をご紹介します。

(内容は有段者向け)

  テーマ「利かしか持ち込みか」

 
テーマ図

テーマ図

「利かし」

相手に受けを強要して先手を取る。
その先手の交換が得になるときの表現。

「持ち込み」

相手の陣地内に入っていき、受けてもらえずに「上から」丸ごと取られてしまう。
パスをするのと同じくらいの損失。

「先手」

たとえば、黒の打った手に対して白がその近くに受けること。
黒白ともに同じ手数を費やしていることが前提。
一手ずつの交換とはかぎらない。

文章だけでは分かりにくいので実際に盤面を見ていきましょう。

前提として、テーマ図で白Aなどの打ち込みは無理で、右辺は確定地ということにします。

  利かしのケース

 
利かしの例

1図・利かしの例

1図、白1から黒4の先手の交換は 「利かし」 です。

右辺への打ち込みはないという前提なので、右辺をさらに固めても何も損にはなりません。

仮にのちに黒6と取られても気にする必要はありません。

白1から黒4は利かし終わった石なので、もともと盤上になかったものと考えてもいいくらいなのです。

白1、3の存在が 「ないよりはあったほうがいい」 という 「損はなく得でしかない」 という状況が利かしとなる根拠です。

実際には白1、3は今後の展開にて、なにかと役に立つことが多いでしょう。

  持ち込みのケース

 
持ち込みの例

2図・持ち込みの例

↑2図、白1から黒4の交換は先手ですが 「持ち込み」 です。

↓3図、テーマ図で白がパスをして、本図の黒1と打たれてしまったくらいの損失です。

3図 白がパスをして黒1

3図・白がパスをして黒1に打たれたのと同じ

囲碁でパスは、終局以外でほとんどあらわれないので、そのひどさの度合いは伝わるかと思います。

  判断方法

 

今回のケースでの「利かしか持ち込みか」の判断は簡単です。

白の消しに対して、黒が 「上(中央)」「下(辺や隅)」 のどちらから受けたかの違いです。

黒が下に受けてくれたら利かし、黒が上からきて取られたら持ち込みです。

持ち込みのケースは、受けてくれずに反撃されて取られてしまうことが多いでしょう。

(あとは相手の陣地内に突入したけど、パスされても取られた場合とか)

  永代囲碁塾の指導方針

 

囲碁は基本的に全く同じ配石の局面はほとんど表れません。

毎回、配石が微妙に違います。

このような状況なので、部分的に形を暗記してもうまくいかないことが多いです。

部分的な知識よりも、知識を生かす 応用力 のほうが大事になります。

この応用力を培うために大事なのは、本質的な 考え方 をしっかりと理解しておくことです。

本質的な考え方を理解しておけば、ケースバイケースで局面ごとに対応することができます。

でも、みなさんは本質的な考え方は難しいと思っていたりしませんか?

実は考え方というのは基礎的なものがほとんどで、反復練習で身につけられるものばかりです。

そして、覚えてしまえば 意外と簡単だったな と思えるようなことが多いでしょう。

この考え方は子どもには向いていない指導方法なので、理屈で理解していく大人にはぴったりの指導方法です。

(子どもには対しては子どもに合う、別の指導方法をします)

棋力の伸び悩みを感じている方は、ぜひ永代囲碁塾でレッスンを受けてみてください。

棋力向上のきっかけ作りに、全力でサポートさせていただきます。

永代囲碁塾の教室・レッスン

永代囲碁塾のオンラインレッスン

  最も歴史の長い小中学生囲碁大会

 

→文部科学大臣杯 少年少女囲碁大会(個人戦)


小中学生の囲碁大会(全国大会)で最も歴史が長いのが、上記の少年少女囲碁大会です。

「個人戦」は1980年に始まって、これまでに45回の開催を数えます。

(毎年夏休み中に開催されており、今度の8月で第46回となります)

歴代優勝者を見ると、たくさんの棋士を輩出しており、中には井山裕太プロなどのタイトル獲得者も見受けられます。

本大会は囲碁棋士への登竜門となっており、ガチ勢の子ども達にとっては一番の目標となっている伝統的な子ども囲碁大会です。

  団体戦全国大会も開始

 

→文部科学大臣杯 少年少女囲碁大会(団体戦)

上記のように、2004年には同じ学校内で3人1チームとする団体戦も開始しました。

アニメ「ヒカルの碁」でも出てきましたが、学校別の団体戦は燃えるものがあります。

個人戦は圧倒的に強い子しか全国大会には出れませんが、団体戦ではそんなこともありません。

どちらかというと、チーム全体の平均値をいかに上げるほうが重要なので、誰にでも全国大会に行くチャンスがあります。

そして、団体戦は囲碁普及的にも大きな意味を持ちます。

個人戦で成績が振るわないと、全ての責任が自分のみに降りかかることから、かなり辛いものがあります。

しかし団体戦なら、勝っても負けても同じ思いを共有できる仲間がいます。

楽しくないはずがありません。

囲碁を続けたいと思う動機にもつながるでしょう。

さらに、チームメンバーが足りない場合は、同級生に囲碁を始めてもらって参加する‥‥という光景も見られて、純粋に囲碁人口増加に貢献します。

ヒカルの碁でも似たような場面がありますよね。

個人的には囲碁普及をしていくためには学校別などは問わず「団体戦が大きなカギ」になっていくと思います。

  コロナ以降、団体戦は中止

 

囲碁普及に多大な期待を寄せている団体戦でしたが、コロナの影響もあり、2020年からは中止となっておりました。(個人戦は2020年のみ中止)

さらにはコロナが落ち着いた時期となっても再開のメドは立たず...。

やはり予算的な影響が大きいのでしょう。

ここにも日本棋院の財政不足が響いています。

子ども関係の予算を削るようでは、ジリ貧になってしまい、将来性が見通せません。

はっきり言って本大会は無理してでもやるべきであり、開催しないのは悪手と感じていました。

  今年から団体戦が復活!

 

そして、やっと朗報が入ってきました。

今年から団体戦が復活したのです。

これは、どう見ても「武宮陽光新理事長」「関達也常務理事」など、新理事メンバーの活躍の成果です。

本当にグッジョブです。

新メンバーの方向性にはとても共感なので、これからも応援していきたいと思います。

  衝撃的な事実!

 

でも、一つだけびっくりしたことがあります。

それは、全国大会の出場選手に交通費などの補助金がなくなったことです。

これは本当に衝撃です。

実は囲碁界では、全国大会に出場する選手(一般大会でも)には、多くの場合で交通費や宿泊費の助成があります。

他の業界でアマがこのような待遇を受けるというのは、珍しいことでしょう。

それでも、囲碁界の良き文化で、誰でも全国大会を目指せる環境にあったというのは普及に大きな貢献をしていたと思います。

それが今回は補助がなし・・・。

たしかに団体戦は1チームで3人もいるので、補助を出すとしたら3倍になるというのは厳しいものがあります。

財政難の日本棋院が団体戦の早期復活ができなかった理由でもあるでしょう。

今回の問題で今後の大会運営、特に資金面で色々と考えなくてはなりません。

・今回の団体戦のように交通費補助なしで全国大会開催

・これまでどおりに交通費補助ありで全国大会開催

もちろん、できるならこれまでどおりに補助があっての開催がいいに決まっています。

しかし、今回のように補助あると無理だけど、補助なしなら開催できるということも増えてくると思います。

これは今後、日本棋院の交渉力が問われていくでしょう。

最善策、次善策ということで頑張ってもらいたいと思います。

  それでも開催できてよかった

 

交通費補助なしの全国大会は開催場所に近い地域が有利です。

今回の全国大会会場は東京の日本棋院本院ですから、関東地方が有利です。

人口の問題があり、ただでさえ関東地方は強いですが、ますます…。

とはいえ、個人的には不公平感があったとしても、開催できるほうが良いと思います。

長崎県出身なので、地方の辛さはよく分かります。

それでも、中止のままよりは開催したほうがいい。

開催を続けることによって、新たなスポンサーを獲得できて、補助復活も狙いやすくなります。

地方は我慢ばかりとなりますが、それを糧として努力する原動力にもなり得ます。

(実際に囲碁棋士になるための修行は、遠いところから来たほうが覚悟が決まりやすい)

色々と問題は山積みですが、今回の開催は本当によかったと思います。

今後ともこの動きを応援していきたいと思います。

永代囲碁塾
永代囲碁塾

  囲碁界はどうヤバくなったか

 

囲碁界をヤバいと思っていない囲碁界(再掲)

遅くなりましたが、5年ほど前の上記の記事を踏まえて検証していきたいと思います。

  最近の囲碁人口推移

 

まぁ、ここは言わずもがな‥‥。

囲碁人口は永代の体感も含めて、右肩下がりで減少し続けてるのは間違いないです。

ちなみにレジャー白書によると‥‥。

2021年 180万人
2022年 150万人
2023年 130万人
2024年 120万人

(永代調べ)

こちらは大まかな数字となります。

ちなみにレジャー白書は15歳未満及び80歳以上の男女は調査の対象とはなっていません。

囲碁に関しては15歳以下と80歳以上はドンピシャの世代です。

そこを抜いているということなので、実態は調査の倍くらいはいる気がします。(永代の体感)

とはいえ、人数の問題ではなくて、減少率で見ていくと分かりやすいですね。

まぁ、減り続けています。

  最近の日本棋院

 

囲碁界の本丸である日本棋院はどうか。

囲碁人口の減少に比例して、経営が悪化していくのは当たり前のことです。

決算を見ていると寄附金やスポンサー(運営費)収入、会員など軒並み減少しております。

ここ数年の決算収支(特にコロナ後)では1億円前後の赤字が続いている印象があります。

ただ、海外の資産を売却した利益で相殺している年度もあり、キャッシュの減少を避けたときもあります。

表向きは平静を保っているように見えますが、実態は資産が毎年1億円ずつ減っているわけですから、かなりまずいです。(最近は1億の赤字額を楽に超えていきそう‥‥)

貸借対照表を見ているかぎりは、あと数年でキャッシュも底をつき、借金をするか、さらに持っている資産を売却するよりなくなります。

ジリ貧ですね‥‥。

早急な改革が待たれます。

とはいえ、早急に収入がアップする策は見当たりませんので、経費削減という方向性に走るのでしょう。

棋士採用試験の人数減という変更もその一環です。

ここ数年ではタイトル戦の賞金や対局料もカット、カットの嵐です。(良くて現状維持)

それでも赤字額が減りません。

うーん、打つ手がありません。

最終手段として禁断の打ち手はありますが‥‥。

棋士の人数をカット
棋士の給与をカット
棋士の退職金、年金をカット
対局料の一部無償化(ベスト64以上のみ)

全員で貧しくなっていくのか、それとも一部の人が切られていくのか。

最近では、まだ対局できそうなのに引退をする棋士も増えてきていますし、業を煮やして自分から辞めていく若手棋士も多いです。

さらに今後はどうなっていくんでしょうか。

個人的には武宮陽光理事長関達也常務理事の手腕に期待しております。

小中学生団体戦全国大会の復活はグッジョブでした)

常務理事組の中では年齢が低いほうになりますからね。

年齢層が高い棋士が多いので、意見は通りにくいのでしょうが、若手の意見を汲めるような策をお願いしたいところです。

何度も言ってますが「若者がいない業界に未来はありません」

  ここ最近の棋士

 

ここ5年で対局料は大きく下がっています。

もう毎年のことですが、あの棋戦がヤバい、また対局料が下がったなどなど‥‥。

週刊碁や囲碁書籍などの出版停止

囲碁教室、囲碁サロン、イベントの減少。

どんどんと収入は減ってきています。

もちろん危機感を持って頑張っている棋士もいますが、大半は囲碁人口を増やそうというよりは生活をするうえで必要な仕事をしているという感じに見えます。(ボランティアでも普及している棋士はいます)

本来は日本棋院から出ている固定給分くらいは純粋な囲碁普及活動をしなければいけないと思います。

しかし、そんな余裕がないのか、やり方が分からないのか、やる気がないのかは分かりませんが、活動は少ししか見かけません。

もうここまでくると、棋士だけの力で状況を好転させることは難しいところまできてしまいました。

あとは誰がどのくらいの割合で改革の痛みを受けるのかということに‥‥。

ただ、5年前の記事でも書きましたが、収入が低くなった当時でも囲碁棋士を続けている人がほとんどです。

さらに当時よりも低くなった収入(対局だけで年間100万はかなり厳しい)でも囲碁棋士を続けている人がほとんどです。

その理由は記事のとおりですが、囲碁好きにとって囲碁棋士は幸せな職業で天職です。

人生の満足度は高いのですが。さすがにそろそろ限度が来ていると思います。

あとはそれぞれの棋士がどうするか判断することでしょう。

  囲碁界の今後は、死ぬ気でガムシャラに

 

10年ほど前の話ですが、低い額で仕事を受けると、棋士のブランド価値が下がるという声をよく耳にしました。(今でも言ってる人がいます)

そうこう言ってるうちに、結果的には年々、棋士のブランド価値は大きく下がっていきました。

そして、現在の日本棋院の体制を続けるのは不可能というのが現状です。

たしかに囲碁や囲碁棋士の本質的な価値はとても素晴らしいものですし、昔も現在も何も変わりません。

私も心からそう思っています。

ただ、それは囲碁に理解がある人限定の話であって、そもそもの囲碁に理解がある人が減っているということが問題です。

とにかく囲碁界の復興のためには、日本棋院と棋士が一丸となって幼稚園、保育園、小学校や学童、中学校、高校、大学など教育機関で入門教室などの囲碁普及をするよりありません。

棋士派遣をする予算がないということなら、ボランティアでやるよりありません。

それこそ固定給の高い棋士から順にですね。

「棋士の価値が〜」と言ってる場合ではありません。

日本棋院と囲碁棋士の存続の危機なのですから。

  永代囲碁塾の活動として

 

ずけずけと好き放題に意見をしてしまいましたが、私もできるかぎりのことはしています。

→東京子供囲碁普及会

近くの公民館で囲碁教室をしています。

さらには小学校で囲碁教室のチャンスがあったら、積極的に受けますし、囲碁に理解がある先生がいたら、囲碁教室をさせてくださいとお願いしています。

もちろんボランティアです。

そのかいあって、いくつかの小学校で教室をやっていますし、今後も新たにできそうなところがあります。

仕事としての教室は棋士同様に減り続けていますが、これを打開するには入門教室などで種まきをするしかありません。

ぜひ、ご覧いただいている皆様も一緒に応援やご支援をよろしくお願いいたします。

 

永代囲碁塾
永代囲碁塾
2025年4月22日

親子で囲碁(2)

By igosalon

  前回まではこちら

 

親子で囲碁(1)

横浜時代の子ども囲碁教室(回想)

 

  親子で囲碁の二組目

 

これまでに囲碁部の指導にきている、親子で囲碁をやっている一組目を紹介しました。

しかし、今回はもう1組、親子で囲碁をしているお父さんを発見!

4月から本社にきて、囲碁部に初参加。

Oさん「ゴルフはやってたんですけど、老後でもできる趣味がほしいと思ってました。そんなときにヒカルの碁を読んで、これだ!と思って始めました。」

と話してくれました。

ここでもヒカルの碁効果が!

ヒカルの碁、恐るべし・・・。

 

  息子くん登場

 

Oさん「そして、私はぼちぼちとやっていたんですけど、息子が囲碁のアプリをやってまして・・・。」

息子くん「全然勝てないから、強い人に教えてもらいたい」

なぬ!

驚きですよ!

まだ小学校の低学年なのに、自分からこんなことが言えるなんて!

これを聞いて

Oさん「よしよし、囲碁教室を探してあげよう。送り迎えだけだと暇だから、私も一緒にやろう」

という感じでお父さんもしっかりとやり始めたようです。

そんなOさんと初対局してみたら、かなりしっかりとしていて碁会所初段くらいありそう・・・。

現時点ではお父さんのほうが息子くんよりも少し強いみたいです。

多少の経験があったとはいえ、普通は子どものほうがすぐに強くなるんですけどね。

お父さん、恐るべし・・・。

ところで、お父さんもできるなら、お父さんが息子くんに教える流れにはならなかったのかな?

まぁ、そうなったら息子くんが囲碁を嫌になる可能性が高いケース(あくまで確率論)なので、教室を探してあげたのはグッジョブだと思います。

いや〜、身内が囲碁を教えるというのは本当に難しいんですよね。

家族以外の人に教えてもらえる環境があるなら、そちらを強くお勧めします。

 

  やはり囲碁をやる子はしっかりとしている(例外あり)

 

Oさん「あと、同じ教室に強い子がいるんですよ。小学生の全国大会で優勝したとか・・・。」

永代「その地域だと○○くんですかね?」

碁会所の地域を事前に聞いてあったので、すぐにピンときました。

Oさんはその子に「そんなに強いのに、なぜ院生に入らないのか?」と聞いたところ、自分なりのしっかりとした返答があったそうです。

その子も、恐るべし・・・。

そんなしっかりとした回答を聞いて、うちの長男に爪の垢を煎じて飲ませたいと思いましたね!!

  前回・親子で囲碁の続き

 

前回の記事はこちら
親子で囲碁(1)

  10数年前の本拠地は横浜囲碁センター

 

私は年齢にして27歳頃だったと思うのですが、その頃は横浜駅すぐ近くにある「横浜囲碁センター」で、下記のように諸々の教室をしていました。

月曜のお昼・大人 永代・小田
月曜の夕方・子ども 永代・小田・石原
木曜の夕方・子ども 永代・魚返
金曜のお昼・大人 永代
土曜の夕方・指導碁会 小田
 

  今回の話題は子ども教室

 

月曜と木曜の子ども教室は夕方から。

周りの方から「子ども教室は何時間くらいするんですか?」との質問に

永代「2時間くらいですね〜」

といつものように答えていたら・・・。

Kくん、Sくん「え・・・?」

という雰囲気を感じました。

そして、よく考えていたら、当時は17時〜21時で4時間やっていました。

うん、昔は若かった・・・(笑)

というよりも、現役院生もきていた子ども教室なので、4時間は当たり前ですね。

そういえば有段クラスと級クラスで分けていました。

それでも級クラスが一緒に4時間やっていたのには自分でもびっくりです。

 

  Kくん、Sくんの思い出

 

Sくん「テレビの前で黙想をさせられていた記憶があります」

永代「それはやんちゃしていたからね。落ち着かせるためにやったんだろうね」

Sくん「普通にガキンチョしてましたしね」

Kくん「詰碁が難しかった記憶があります」

永代「棋力に合わせて、少し頑張ったら解けるくらいを用意するの。
強くなったらその分だけ問題もレベルアップするよね。
ということでどんなに強くなっても終わりはないんだよ」

Kくん「そういうことか・・・」

Sくん「自分のところはあれだけど、あっちの有段クラスのほうを見ると空気が重かったですもんね・・・。」

その後も当時の石原先生の年齢が現在の二人と同じくらいだということだったり、当時の他の先生や教室生の話になったり。

懐かしかったですね〜。

 

  子ども囲碁教室の醍醐味

 

子ども教室の生徒たちが立派になって、こうやって一緒に話ができるというのは、指導者冥利に尽きます。

本当に「この仕事をやっていて良かった」と思える瞬間です。

これからもこのような瞬間を増やして、たくさん体験するためにも、頑張って囲碁普及をしていきたいと思います!

永代囲碁塾

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