つい先日、中部総本部の棋士である吉岡薫九段が引退されました。
棋士の引退は手合いだけのことで、囲碁を辞めるわけではありません。
囲碁普及のほうも棋士として大事な使命です。
吉岡薫九段の故郷は佐賀県で、この度に帰郷されて囲碁普及をされるとのことです。
九州に院生を作りたい
もう数年ほど前になりますが、福岡で囲碁棋士養成機関である「院生」を作ろうと画策していたことがありました。
そして、院生ができれば必然的に棋士が生まれます。
日本棋院九州総本部などとして囲碁棋士が在籍するという流れです。
しかし、厳密に言うといきなり院生は無理なので、その前段階である「研究生」から始めようという感じでしたが。
しかし、九州には在住する棋士がいなくて、指導者に恵まれませんでした。
なかなか難しい問題です。
この話がなかなか前に進まない状況には、とてもがっくりした記憶が今でも強く残っています。
永代の囲碁普及の原点
なぜ、私がこの動きに強い思い入れがあるかと言いますと…。
私は長崎県出身の九州男児です。(九州男児は特にいらないか)
九州にはプロ組織がなかったので、棋士を目指した当時は東京か名古屋か大阪に行くしかありませんでした。
これが棋士を目指す年齢(小学生〜中学生)の地方出身者としてどれほど難しいことか。
これは子どもの才能の問題ではなくて、環境の問題です。
どんなに才能豊かでも、物理的に諦めざるを得ない子どもたちがたくさんいるのです。
このような才能と関係ないところでふるいにかけられるというのは、とてもつらいことだと思っています。
せめて福岡あたりにあれば、少し無理すれば日帰りだって可能な地域がぐっと広がります。
自分の人生を豊かにしてくれた囲碁を覚えて、院生になるまでのあいだに可愛がってくれたのは九州の皆さんです。
特に生まれ故郷の長崎県と、父の実家がある佐賀県です。
囲碁棋士を目指す経験というのは、成功しても失敗してもかけがえのない資産になります。
(現に永代は棋士にはなれないという点では失敗しましたが、人生には大きくプラスだったと実感しています)
この棋士を目指すチャレンジすらもできない環境をどうにかしたいと考えています。
今の私には力不足で、一旦は引いていますが、この件は一生をかけて実現させたいと思っています。
永代家の子どもたちが棋士になったら九州総本部を作って所属させたいくらいです。
もしも名人などを獲得したら、そんな夢もグッと近づくかもしれません。
今後とも諦めずにタイミングを見計らって行動していこうとは思いますので、その時は応援をよろしくお願いいたします。
今後への期待
今回は吉岡薫九段という指導者として適任な先生が帰ってきてくれました。
そして、囲碁普及も精力的に行なってくれるというので、院生の創設へ話が進んでいくこともあるかもしれません。
実際に数年前にも吉岡薫九段の帰郷は近いという話もあって期待していたものです。
九州囲碁界としては、先生の帰郷を心待ちにしていたんですね。
日本全国で囲碁普及が厳しい状況にあるなかで、九州から盛り上がっていくことがあるかもしれません。
自分にできることなら、何でも応援するつもりです。
今後の九州囲碁界に期待です。
囲碁好きな皆様、応援をよろしくお願いいたします。