前回の記事はこちら↓↓
六子局での認定試験
前回の記事でもあったように、普通の四段では六子では黒が少し苦しい手合いです。
のはずです。そうなんです。
対局が始まりました。
大須賀聖良プロは背筋がピンとしていて小学生ながらに凛々しく、すでに大物感が漂うようなオーラを持っています。
置き石を打つ手つきですぐに伝わります。
こういうところが囲碁の面白いところだと思ってます。
とはいえ、まだ小学生の四段。
戦ってくればツブしてあげるし、守ってばかりいたらリードをジリジリと詰めて、終盤でひっくり返します。
ヨセは私の専売特許です。
永代(まずはいつもどおりに、黒から見て上辺カカリからの大ゲイマビラキだ)
その後は下辺に舞台が移り、激しい戦いが始まりました。死闘開始。
聖良ちゃんの棋風は纏っているオーラのとおりで戦いオンリー。
永代「ほほう。うわ手相手に戦いを挑んでくるか。頭をなでなでしてあげながら、いなしてあげるか、それとも思い残すことなく一刀両断にしてあげようか。」
(ヒカ碁の佐為VS塔矢アキラのパクリ風)
戦いはどんどんと激しくなっていきます。
永代(なかなかやるな。ここまでは置き碁に関係なく互角に戦っている。でも、これは最後まで続くわけがない。相手は四段だ。一回でもミスをしたらツブレコースだぞ。うっしっし。)
その後も聖良ちゃんは厳しく戦ってきます。
永代(ほう、まだこんなに戦ってくるか。そう大したミスも見当たらない。置き碁だし、かなり苦しくなってきたな…。指導碁ならここで聖良ちゃんを褒めながら投了しても良いくらいだ。
でも、一回でも間違えれば…。ここはとりあえず「セキ」にして勝負を長引かせておくか。
勝負が長引けば、ミスも出てくるだろう。
しかし、碁盤の上半分は全く関係のない戦いになってるから、体感としては四子くらいで戦っている感じだぞ。
なかなかやるな。
そろそろ勝負手を放たねばなるまい。
大体は勝負手を放てば、間違うんだよな。)
白は粘りに粘って勝負手の連発!
永代(聖良ちゃんの着手も早くて的確だからここで投了しても良いくらい。
でも、ここで投了したら放送時間が余る…。まだ間違える余地もあるし、最後まで粘ってみるか。)
そして、最後は…。
勝負手はことごとく不発に終わり、返り討ちに。
さらに「要石」を取られたことで、その前にできた「セキ」も「セキ崩れ」となり、全滅…。
盤上で息をしているのは白の初手と三手目である、カカリと大ゲイマビラキだけのようなもの。
本当に全滅したといっても過言ではないツブれっぷりです。
白が。
そして、局後には司会の稲葉禄子さんに
「ながよっちは耳を真っ赤にして、身体を前に乗り出してたのに対して、聖良ちゃんは背筋をピンとして、まだ打つの?って表情だったよー。どっちがインストラクターか分からなかったね(笑)」
と言われる始末。
しかし、ここまで綺麗に叩き潰されてしまっては「わが生涯に一片の悔いなし!」
と、なりそうですが…。
永代(いやいや、待てよ。このまま終わるわけにはいかんだろ。恥をしのんで…。くぅ〜)
永代「もう一度、対局させてください…。」
つづく