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ゆったりと品のある空間で囲碁を楽しむ・・・
2021年3月1日

ツケノビ定石後の利かし方【金曜教室】

By igosalon

前回の続きから

前回と同じ碁から取り上げます。

「二子にして捨てよ」←前回はこちら

ツケノビ定石とは

初級者が19路で対局するようになってから覚える3大定石の一つに「ツケノビ定石」があります。

【永代塾の勝手に3大定石】

①三々定石

②二段ビラキ定石

③ツケノビ定石

黒1の星に白2とカカリを打たれたあとのことです。

黒3のツケ、黒5のノビを組み合わせたらツケノビとなります。

これがツケノビ定石のスタートですね。

その後は黒13までお互いに自分の構えをしっかりさせるワカレになります。

ツケノビ定石はお互いに形がしっかりとして、扱いやすいことから初級者に人気の定石なのでしょう。

【問題・黒番】ツケノビ定石その後

左下と右下でツケノビ定石が打たれていますね。

状況としては白の勢力(下辺と右辺)に対して、黒の打ち込みは少し無理気味かと思われます。

そんな時は上から(中央側)から圧迫して、白の勢力拡大を防ぎましょう。

しかも、先手で。

『失敗』何も考えなければ…

黒1が先手で利きます。

そして、黒3も同じく先手で利きますね。

先手で白の勢力を制限したので、黒は満足!!

………。

とはなりません。

逆に白に喜んで受けられているという現状があります。

それは正解図と比較していただければ分かります。

『正解』最大限に利かす

黒1のハサミツケが手筋です。

白は2と受けるよりなく、黒3が先手で利きます。

そして、これ以上は先手で利かないので手抜きをして他へ回る、というのが最善の正解です。

失敗図よりは白をへこませていますね。

手割りで検証

別の角度から比較してみます。

黒1に対して、白2と受けるのは明らかにへこんでいます。

黒1には白3と受けますよね。

黒1に白3と受けたのが失敗図です。

ただ、正解図は手順こそ違えど黒1に白2と打たせたことに変わりないのです。

正解図で手順を駆使したことにより、この図を実現することができたのです。

このように、他の手順で比較することで効率を測ることを「手割り」と呼びます。

『正解変化』白の反撃は無理

ちなみに黒1のハサミツケに白2と反撃するのは無理手です。

黒7まで左右に分断して、黒が攻勢です。

下手すると、どちらかの白が取られてしまう事態にまで発展するかもしれません。

普段なら黒1や5は黒の裂かれ形を作ってしまうので悪い手とされています。

ただし、今回の場合はツケノビ定石の要である▲があるので、左下の黒は鉄壁のように強くなっています。

見方を変えると、黒の鉄壁に白を押し付けている考え方にもなるのです。

使いやすい手筋

前回の「二子にして捨てよ」と今回の「ツケノビ定石その後」はいかがだったでしょうか。

実戦でよく使える手筋なので、覚えて損はありませんよ!

というよりも、実戦から取り上げたので実戦で出てくるのは当たり前ですね(笑)

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